2004

2004年(平成16年)  

・18世紀になると、英のリヴァプールや仏のボルドーから積み出された銃器その他をアフリカにもたらし、原住民と交換、さらにこうして得た黒人を西インド諸島に売却し、砂糖などをヨーロッパに持ち帰る三角貿易が発展(約3世紀に及ぶ奴隷貿易で大西洋を渡ったアフリカ原住民は900万~1100万人と言われる)
・(1789年8月26日)フランス革命の中で、フランスで人権宣言が出版され、全ての人の自由と平等を宣言
・(1月01日)200年前(1804年)のこの日、仏の植民地だったハイチでアフリカ人奴隷の反乱「ハイチ革命」の結果、(近代史としては初の)自由黒人の共和国として独立(西半球ではアメリカ合衆国に続き、2番目の独立国)
・(1807年3月25日)宗教的および人権主義的な批判および奴隷価格の高騰という事情から、英で「奴隷貿易法」成立 英帝国全体での奴隷貿易を違法と定める
・(1833年8月23日)英で「奴隷制度廃止法」成立 その後、奴隷制度は、スウェーデン領では1846年、仏領では1848年、オランダ領では1863年、米では南北戦争での連邦軍の勝利により(リンカーンによる奴隷解放宣言は1862年9月)、奴隷制度は全廃された
・(1841年3月9日)米連邦最高裁「アミスタッド号事件(スペイン籍の奴隷輸送船でアフリカ人奴隷が反乱を起こし船を乗っ取る)」の黒人奴隷たちを「もともとのアフリカ大陸からの移送が非合法であり、彼らは法的に奴隷ではなく、自由の身である」と認定 1842年彼らアフリカ人は故郷に帰還
・(1847年7月26日)アメリカ合衆国で解放された黒人奴隷によって建国されたリベリア共和国が、アメリカ合衆国憲法を基本にした憲法を制定して独立(アフリカの中でエチオピアに次いで古い国として)独立以来、「胡椒海岸」の先住民は移民(アメリコ・ライベリアン)による圧政により差別の対象となっている
*関連映画「アミスタッド」(スティーヴン・スピルバーグ1997)、「アメイジング・グレイス」(マイケル・アプテッド2007)
・奴隷貿易の関連の地として世界遺産に多くが登録されているが、その中の多くが、「負の世界遺産」とされる
*負の世界遺産 ○「ゴレ島」(セネガル 奴隷貿易の拠点となった島) ○「ヴォルタ州、グレーター・アクラ州、セントラル州、ウェスタン州の城塞郡」(ガーナ 奴隷貿易の拠点となった要塞が複数含まれる) ○「トリニダとロス・インへニオス渓谷」(キューバ 奴隷の監視塔などが残るサトウキビ農園跡とその繁栄で築かれた建造物群が残る) ○「ザンジバル島のストーン・タウン」(タンザニア 東アフリカにおける奴隷貿易の拠点) ○「クンタ・キンテ島と関連遺跡群」(ガンビア ゴレ島とともに奴隷貿易の拠点となった) ○「海商都市リヴァプール」(英 奴隷を含む三角貿易で栄えた港) ○「アープラヴァシ・ガート」(奴隷制度に代わる「契約移民労働」制度が始められた場所 地球規模での労働者の移動の先駆け的な例という肯定的評価もある) ○「ル・モーンの文化的景観」(脱走した奴隷たちが自由を求めて戦った場所)
・奴隷制度が廃止されると、それに代わる「契約移民労働」制度が始められる また、各国は植民地政策を進め、現地での労働力および資源の確保を図る

・(1月12日)「クイーン・エリザベス2」の後継として建造されたイギリスが誇る豪華客船「クイーン・メリー2」サウザンプトンを出港し処女航海へ(目的地はフロリダ) 2009年12月1日には、世界最大のクルーズ客船「オアシス・オブ・ザ・シーズ」がカリブ海クルーズに就航
・(1月19日)陸上自衛隊イラク派遣開始(初めての戦闘地域への派遣)
・(3月11日)イスラム過激派による「スペイン列車爆破事件」(3・11事件 11-M)191人死亡 2000人以上が負傷 犠牲者を追悼するためにマドリードのレティーロ公園に「故人の森」がある

・(2月08日)100年前(1904年)のこの日、ロシア勢力下の満州南部および朝鮮半島を舞台に、大日本帝国とロシア帝国の間で「日露戦争」勃発(日本海軍が旅順港にいたロシア海軍に奇襲攻撃 宣戦布告は2月10日)
 旅順203高地攻略(12月5日)、バルチック艦隊と日本海海戦(1905年5月27日)、樺太の戦い(樺太攻略7月31日)、ポーツマス条約(9月5日) 結果、ロシアの南下政策の矛先はバルカンへ向かい第一次世界大戦の要因に
 また、ロシアで戦時中の国民生活の窮乏から「血の日曜日事件」(1905年1月9日)に始まる「ロシア第一革命」発生
*題材映画「明治天皇と日露大戦争」(渡辺邦男1957)、「日露戦争勝利の秘史 敵中横断三百里」(森一生1957)、「明治大帝と乃木将軍」(小森白1959)、「明治大帝御一代記」(大蔵貢1964)、「日本海大海戦」(丸山誠治1969)、「二百三高地」「日本海大海戦 海ゆかば」(舛田利雄1980.1983)

・(4月01日)日本育英会、(財)日本国際教育協会、(財)内外学生センター、国際学友会、(財)関西国際学友会が合併し、「日本学生支援機構」設立
・(4月01日)・日本航空と日本エアシステムが経営統合
・新東京国際空港公団が民営化され、成田国際空港株式会社に
・帝都高速度交通営団が民営化され、東京地下鉄株式会社に
・(4月03日)アジアと世界での韓流ブームのはじまり・韓国のTVドラマ「冬のソナタ」NHK総合テレビで放送開始「冬ソナ現象」と呼ばれる大ブームを巻き起こす

・(4月07日)イラク日本人人質事件 人質バッシング、自己責任論争起こる これに対し米国のパウエル国務長官「誰もリスクを引き受けようとしなかったら、私たちには前進はなくなる。私は、あの日本市民たちが、より大いなる善のため、よりよき目的のために、すすんで自分の身を危険のなかに置いたことを嬉しく思っている。日本の人たちは、こういう人たちがすすんでああいう行動をとったことを誇りに思うべきだ」と 仏紙ルモンド「日本人は人道主義に駆り立てられた若者を誇るべきなのに、政府や保守系メディアは解放された人質の無責任さをこき下ろすことにきゅうきゅうとしている」と
*題材映画「バッシング」(小林政弘2005)、「ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして」(伊藤めぐみ2014)

・(4月07日)「東トルキスタン民族会議」と「世界ウイグル青年会議」が合流し、「世界ウイグル会議」に再編 第2代議長は、ラビア・カーディル(ウイグル民族の民族自治権の確立を主張)
 これに対し、独立をめざし「東トルキスタン共和国亡命政府」(東トルキスタン共和国との直接の連続性を標榜)がワシントンD.Cで成立
・(4月27日)最高裁 筑豊じん肺訴訟で、じん肺対策を怠った国などの責任を初めて認定し、国などの上告を棄却 損害賠償を命じた2審判決が確定
・(5月01日)ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、スロベニア、エストニア、リトアニア、ラトビア、マルタ、キプロスがEUに加盟 加盟25か国に拡大
・(10月15日)関西に移り住んだ水俣病の未認定患者45人の「水俣病関西訴訟」最高裁、対策を怠った国と県の責任を認定し、総額7150万円の賠償を命じた
・(5月21日)100年前(1904年)のこの日、国際サッカー連盟(FIFA)設立

・(6月10日)九条の会発足記者会見 呼びかけ人:井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の9人
   

・(7月01日)「20世紀最高の俳優」マーロン・ブランド(80)、死す

・(7月00日)北朝鮮の高句麗古墳群が、中国東北部の高句麗前期の遺跡と共に、世界文化遺産登録される(北朝鮮として初めての世界遺産)

・(7月15日)100年前(1904年)のこの日、ロシアの劇作家 アントン・チェーホフ(44)、死す
*原作映画「小犬を連れた貴婦人」(イオシフ・ヘイフィッツ1960)、「かもめ」(ユーリー・カラーシク1971)、「ワーニャ伯父さん」(アンドレイ・ミハルコフ・コンチャロフスキー1971)、「黒い瞳」(ニキータ・ミハルコフ1987)、「三人姉妹」(マルガレーテ・フォン・トロッタ1988)、「42丁目のワーニャ」(ルイ・マル1994)、「八月の誘惑」(アンソニー・ホプキンス1996)、「六号室」(カレン・シャフナザーロフ2009)他
・(8月10日)1200年前(804年 貞元20年)のこの日、第16次遣唐使一行の第1船にて空海 福州長渓県赤岸鎮に漂着(最澄は第2船にて9月明州に到着)
・(8月13日)沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学に、米普天間基地のヘリコプターが墜落 米軍は、現場検証を求める沖縄県警に回答を示さないまま墜落機を撤去
・(9月01日)ロシア南部北オセチア共和国 チェチェン独立を求める武装集団が児童を含む1181人を人質に「ベスラン小学校占拠事件」ロシア特殊部隊が突入し銃撃戦 人質646人以上が死亡・行方不明

・(8月13日)五輪(第28回)開幕・パラリンピック(第12回)アテネ大会 五輪体操女王は、カーリー・パターソン(米)、新体操女王は、アリーナ・カバエワ(ロシア)

・(9月08日)作家 水上勉(85)、死す
*原作映画「雁の寺」(川島雄三1962)、「五番町夕霧楼」(田坂具隆1963)、「越前竹人形」(吉村公三郎1963)、「越後つついし親不知」(今井正1964)、「飢餓海峡」(内田吐夢1965)、「あかね雲」「はなれ瞽女おりん」(篠田正浩1967.1977)、「白蛇妙」(伊藤俊也1983)他
・(9月24日)仏の作家 フランソワーズ・サガン(69)、死す
*原作映画「悲しみよこんにちは」(オットー・プレミンジャー1958)、「ある微笑」(ジーン・ネグレスコ1958)、「さよならをもう一度」(アナトール・リトヴァク1961)、「スエーデンの城」(ロジェ・ヴァディム1964)、「別離」(アラン・カヴァリエ1968)、「水の中の小さな太陽」(ジャック・ドレー1973)、「夏に抱かれて」(ロベール・アンリコ1989)、「厚化粧の女」(ジョゼ・ピネイロ1991)他
*題材映画「サガン 悲しみよこんにちは」(ディアーヌ・キュリス2008)
・(9月26日)100年前(1904年)のこの日、ギリシャ出身の作家 小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)(54)、死す
*原作映画「怪談」(小林正樹1964 音楽:武満徹)

・(9月23日)100年前(1904年)のこの日、アール・ヌーヴォーを代表する仏のガラス工芸家、エミール・ガレ(58)、死す

・(10月23日)新潟県中越地震M6.8 犠牲者37人 多発する地震に避難住民は一時期10万人超 孤立した山古志村では、全員が避難

・(11月22日)ウクライナ EUの枠組みに入るか、エネルギーで依存しているロシアに接近かの選択でウクライナを東西に二分する大混乱(オレンジ革命)最高裁判所の裁定による再選挙 親露派のヤヌコーヴィチを破りユシチェンコ大統領誕生(12月28日)オレンジ革命の盟友ユーリヤ・ティモシェンコを首相に任命

・(11月26日)仏の映画監督 フィリップ・ド・ブロカ(71)、死す
*監督作品「大盗賊」(1962)、「リオの男」(1963)、「カトマンズの男」(1965)、「まぼろしの市街戦」(1967)、「君に愛の月影を」(1969)、「おかしなおかしな大冒険」(1973)、「ベルモンドの怪盗二十面相」(1975)、「シェーラザード」(1990)、「陽だまりの庭で」(1995)他

・(12月26日)インドネシア西部のスマトラ島沖でM9.0の地震発生、大規模な津波が沿岸諸国を襲う 死者は、20万人、被災者は、数百万人に及ぶとされる
*題材映画「インポッシブル」(J・A・バヨナ2012)

・今年の漢字は「災」、流行語大賞は「チョー気持ちいい」
・第61回ヴェネツィア映画祭金獅子賞「ヴェラ・ドレイク」(マイク・リー)
・第57回カンヌ映画祭パルム・ドール「華氏911」(マイケル・ムーア)
・第55回ベルリン映画祭金熊賞「U-Carmen Khayelitsha」(マーク・ドーンフォードメイ)
・第78回キネマ旬報ベストワン「誰も知らない」(是枝裕和)、「ミスティック・リバー」(クリント・イーストウッド)
・第77回アカデミー作品賞「ミリオンダラー・ベイビー」(クリント・イーストウッド)、外国語映画賞「海を飛ぶ夢」(アレハンドロ・アメナバル)
・第47回グラミー賞最優秀アルバム賞「Genius Loves Company(ジーニアス・ラヴ~永遠の愛)」(レイ・チャールズ&Various Artists)
・エルフリーデ・イェリネク(オーストリアの小説家)がノーベル文学賞受賞
・ワンガリ・マータイ(ケニアの環境保護活動家)がノーベル平和賞受賞