1978

1978年(昭和53年)  

・(3月01日)北陸スモン訴訟、患者側勝訴 東京スモン訴訟、第2次和解成立(5月22日)、東京スモン訴訟(8月3日)・福岡スモン訴訟(11月4日)、患者側勝訴
「整腸剤キノホルム原因説」を裏付けるデータを隠蔽し、ウィルス原因説に固執していた田辺製薬が、白木博次の証言により敗訴に追い込まれる・(1979年9月15日)スモン訴訟原告団は、国と製薬会社3社と和解 1972年までに患者は9131人、死者は500人を超えた

・(3月16日)イタリア共産党の議会への復活を画策していたアルド・モーロ元伊首相 テロ組織「赤い旅団」による誘拐事件発生 政府は、政治犯釈放の要求に応じず、元首相は殺害される 事件直後「反テロ特棤法」成立
 1969年12月12日のミラノのフォンターナ広場爆破事件(同日ローマ4ヶ所で爆破事件)に始まる重苦しいイタリア「鉛の時代」の頂点 当時の首相ジュリオ・アンドレオッティの関与が指摘されている
*題材映画「イヤー・オブ・ザ・ガン」(ジョン・フランケンハイマー1991)、「夜よ、こんにちは」「Esterno Notte(夜のロケーション)」(マルコ・ベロッキオ2003.2022)、「イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男」(パオロ・ソレンティーノ 2008)

・(3月26日)過激派学生等、成田空港管制塔に乱入、機器破壊 開港延期に
・(4月00日)アフガニスタン人民民主党主導による軍事クーデター「四月革命」、社会主義政権樹立、アフガニスタン民主共和国に 対して、全土でムジャーヒディーン(イスラム義勇兵)が蜂起(アフガニスタン紛争1978年~1989年)1979年ソ連軍事介入
・(4月20日)大韓航空機銃撃事件 誤ってソ連の領空を侵犯し、ソ連防空軍の攻撃(空対空ミサイル)を受けムルマンスクに不時着
・(4月25日)洋画家「二科会のドン」東郷青児(81)、死す (1929年)永野明代と既婚のまま2月に中村修子と結婚披露宴、3月に愛人の西崎盈子と心中未遂、4月宇野千代と同棲を始める
・(4月27日)日大北極点遠征隊 日本人初の極点到達 植村直巳、犬ぞりで単独極点到達(4月30日)

・(5月13日)イタリア、世界初の精神科病院廃絶法「180号法(バザリア法)」公布 予防・医療・福祉は原則として地域精神保健サービス機関で行うとする
*題材映画「人生、ここにあり!」(ジュリオ・マンフレドニア2008)、「むかしMattoの町があった」(マルコ・トゥルコ2010)

・(5月14日)100年前(1876年)のこの日、薩摩藩出身の大久保利通(47)、暗殺される(紀尾井坂の変)(維新の十傑の一人)

・(5月21日)新東京国際空港(現成田国際空港)が、4000m滑走路1本で開港
・(5月22日)第1回国連軍縮特別総会開催 日本の代表団は、18.694.225人分の「国連に核兵器完全禁止を要請する署名」を携え、演説、峠三吉の原爆詩集から「ちちをかえせ ははをかえせ・・・わたしをかえせ わたしにつながる にんげんをかえせ」と
・(6月01日)1978FIFA W杯(第11回)アルゼンチン大会開幕 優勝:アルゼンチン 準優勝:オランダ 日本:アジア地区予選敗退
・(6月00日)~8月 東京池袋の飲食店員、田口八重子(23)、福井県小浜市の海岸で、池村保志(23)、浜本富貴恵(23)、新潟県柏崎市の海岸で、蓮池薫(20)、奥土祐木子(22)、鹿児島県吹上町の海岸で、市川修一(23)、増本るみ子(24)が行方不明に 後に北朝鮮による拉致であることが判明
・(6月25日)サザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」で、デビュー 8月25日デビューアルバム「熱い胸さわぎ」発表
・(7月25日)世界初の体外受精児、英国のロバート・G・エドワーズが成功

・(9月11日)映画監督 中平康(52)、死す
*監督作品「狙われた男」「狂った果実」「牛乳屋フランキー」(1956)、「街灯」「誘惑」「殺したのは誰だ」「美徳のよろめき」(1957)、「虹の翼」(1958)、「才女気質」「その壁を砕け」(1959)、「学生野郎と娘たち」「地図のない町」(1960)、「アラブの嵐」「あいつと私」(1961)、「危ないことなら銭になる」(1962)、「泥だらけの純情」「光る海」(1963)、「月曜日のユカ」「猟人日記」「砂の上の植物群」(1964)、「黒い賭博師」「野郎に国境はない」(1965)、「闇の中の魑魅魍魎」(1971)、「混血児リカ」(1972)、「変奏曲」(1976)他

・(9月28日)ローマ教皇 ヨハネ・パウロ1世(65)、死す 宗教事業協会やバチカン銀行の改革に乗り出し様々な意味で型破りの教皇であったが、在位わずか33日の死に暗殺説が根強い
 1982年6月17日にはバチカンの資金管理銀行であったアンブロシアーノ銀行の頭取ロベルト・カルヴィがロンドンのテムズ川にかかるブラックフライアーズ橋の下で「首吊り死体」で発見される 長年のバチカン、イタリア政界、マフィア3者の癒着の象徴と言われる
*題材映画「ゴッドファーザーPARTⅢ」(フランシス・フォード・コッポラ1990)、「法王の銀行家ロベルト・カルヴィ暗殺事件」(ジュゼッペ・フェッラーラ2002)

・(10月15日)米の写真家 ユージン・スミス(59)、死す 1972年1月 水俣病の取材活動中 チッソ多数派労組に取り囲まれ暴行を受け脊椎を折られ片目失明の重傷を負う「患者さんたちの怒りや苦しみ、そして悔しさを自分のものとして感じられるようになった」と自らの苦しみを語る
*題材映画「MINAMATA―ミナマタ―」(アンドリュー・レヴィタス2020)

・(10月00日)日本を訪れた鄧小平 その経済と技術に圧倒され「改革・解放」政策へ 生産力主義に基づき「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」と

・(10月15日)米のロックバンド TOTO デビューアルバム「宇宙の騎士 TOTO」発表 4枚目のアルバム「TOTO IV〜聖なる剣〜」は「グラミー賞」六冠(1千万枚以上のセールス)
・(10月16日)青木功、ゴルフ世界マッチプレー選手権で優勝 日本男子初の快挙
・(10月25日)シーナ&ザ・ロケッツ デビュー・シングル「涙のハイウェイ」発表(「鮎川誠&シーナ・ロケット」名義)結成から一切のブランクがなくライブ活動を継続 シーナ(61)子宮頸癌により死す(2015年2月14日)
・(11月25日)イエロー・マジック・オーケストラ(YMO 細野晴臣・高橋幸宏・坂本龍一)デビューアルバム「イエロー・マジック・オーケストラ」発表
・あだち充「ナイン」連載開始 その後「みゆき」「タッチ」「H2」、高橋留美子「勝手なやつら」(デビュー作)発表 その後「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」 共に、ラブコメ漫画の代表的作家として「週刊少年サンデー」等を牽引

・(11月08日)米の画家・イラストレーター ノーマン・ロックウェル(84)、死す

・(11月20日)伊の画家・彫刻家 ジョルジョ・デ・キリコ(90)、死す ダダイスム、シュルレアリスムに大きな影響を与える

・(11月18日)ガイアナで米のキリスト教系新宗教カルト集団「人民寺院」集団自殺 914人が死亡(その内の267人は18歳以下の子供)
・(12月10日)米史上最低の映画監督といわれたエド・ウッド(54)、死す
*監督作品「グレンとグレンダ」(1953)、「牢獄の罠」(1954)、「怪物の花嫁」(1955)、「プラン9・フロム・アウタースペース」(1956)
*題材映画「エド・ウッド」(ティム・バートン1994)
・(12月26日)「世界一過酷なレース」第1回パリ・ダカールラリー開催 1991年まではパリ~サハラ砂漠~ダカール(セネガル)コースで 「全ての完走者が勝者である」と 「私にできるのは、“冒険の扉”を示すこと。扉の向こうには、危険が待っている。扉を開くのは君だ。望むなら連れて行こう」創始者ティエリー・サビーヌ談
*題材映画「1982パリ・ダカールラリー ルノー20 優勝への軌跡」(記録映画)
・スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195km 制限時間17時間のアイアンマン・トライアスロンが初めてハワイで行われる アイアンマン世界選手権に発展
*関連映画「ルーカス ルーカス」(アイゴー・オージンス1985)
・第1回「ジャクソン国際バレエコンクール」開催 以降、4年に1度米ミシシッピー州ジャクソンで開催 モスクワ国際、ヴァルナ国際と共に世界の主要なバレエコンクールに数えられる

・中国新疆ウイグル自治区最西部とパキスタンを結ぶカラコルム・ハイウェイ開通(途中海抜4693mのクンジュラブ峠を通り、国境を横断する舗装道路としては世界一の高所を通る)
・(年月日不詳)中国西蔵自治区とネパールの国境を結ぶ中尼公路が外国人旅行者に解放される

・ヴェネツィア映画祭 1969年から1979年までの10年間は賞の審査が行われなかった
・第31回カンヌ映画祭パルム・ドール「木靴の樹」(エルマンノ・オルミ )
・第29回ベルリン映画祭金熊賞「David」( ペーター・リリエンタール)
・第52回キネマ旬報ベストワン「サード」(東陽一)、「家族の肖像」(ルキノ・ヴィスコンティ)
・第51回アカデミー作品賞「ディア・ハンター」(マイケル・チミノ)、外国語映画賞「ハンカチのご用意を」(ベルトラン・ブリエ)
・第20回グラミー賞最優秀アルバム賞「Rumours(噂)」(フリードウッド・マック)
・アイザック・パシェヴィス・シンガー(ポーランド生まれ 米の作家)がノーベル文学賞受賞
・メナヘム・ペギン(イスラエルの政治家)とアンワル・アッ・サダト(エジプトの政治家)がノーベル平和賞受賞