1971

1971年(昭和46年)  

・(1月02日)スコットランドのグラスゴーにあるアイブロックス・スタジアムでのサッカー試合で将棋倒し事故 死者:66人(アイブロックスの惨事)

・(1月10日)仏のファッションデザイナー ココ・シャネル(87)、死す 第二次世界大戦中のナチスによる仏占領の間、対独協力行為者(コラボラシオン)であった
・(4月06日)ロシアの作曲家 イーゴリ・ストラヴィンスキー(88)、死す
*題材映画「ココ・シャネル」(ジョージ・カツェンダー1981)、「ココ・シャネル」(クリスチャン・デュゲイ2008)、「ココ・アヴァン・シャネル」(アンヌ・フォンテーヌ2009)、「シャネル&ストラヴィンスキー」(ヤン・クーネン2009)

・(1月24日)横綱・大鵬が初場所千秋楽で32回目(最後の)優勝 この年の5月場所の5日目に新鋭の貴ノ花に敗れ、現役引退を表明

・(2月08日)南ベトナム軍が、ホーチミンルートの遮断を目的に中立国ラオスに侵攻 秘密裏に行われた米軍のラオスへの空爆は、9年間で58万回、爆弾の総量は200万トンに及ぶ(第2次世界大戦で連合軍が投下した爆弾の総量を上回る)不発弾による事故は以後50年間以上ラオスの人々を苦しめる

・(2月27日)100年前(1871年)のこの日、長州藩士、広沢真臣(39)、暗殺される(維新の十傑の一人)

・(3月05日)パキスタン軍が東パキスタン占領 組織的な住民虐殺、地下ラジオにより東パキスタンの分離とバングラデシュ建国が宣言される(3月26日) 東パキスタン州独立にインドが介入 バングラデシュ人民共和国独立(第3次印パ戦争 12月)
*題材映画「バングラデシュ 虐殺の9ヵ月」(V・スークデブ1972)、「デザートフォース」(J・P・ダッタ1997)

・(4月07日)名古屋での世界卓球選手権大会に中国代表団が参加 最終日、米国選手団を中国に招待するとの発表(ピンポン外交)米チーム、北京に到着(10日)
・(7月09日)キッシンジャー米大統領補佐官 中国極秘訪問
・(7月15日)第1のニクソン・ショック 中国訪問予告宣言 翌年2月 北京電撃訪問
・(8月15日)第2のニクソン・ショック ドルと金の交換停止を宣言し、ブレトン・ウッズ体制の終了と変動為替相場制突入を告げる(ドル・ショック)

・(4月08日)ロンドンで、第1回ロマ国際会議、開催、ジプシー、ツィゴイナーなどの人種差別的な呼称の全てを否定し「今日から我々はロマである」と宣言 その後、世界ロマ連盟が組織される 初代会長:ユル・ブリンナー
*関連映画「熱い血」(ニコラス・レイ1956)、「ジプシーは空にきえる」(エミーリ・ロチャヌー1976)、「ジプシーのとき」「黒猫・白猫」(エミール・クストリッツア1989.1998)、「愛と哀しみの調べ」(アレクサンドル・ラマティ1989)、「ラッチョ・ドローム」「ガッジョ・ディーロ」「ベンゴ」「僕のスウィング」「トランシルヴァニア」(トニー・ガトリフ1993.1998.2000.2002.2006)、「ジプシー・キャラバン」(ジャスミン・デラル2006)、「耳に残るは君の歌声」(サリー・ポッター2001)、「炎のジプシーブラス 地図にない村から」(ラルフ・マルシャレック2002)、「愛より強い旅」(トニー・ガトリフ2004)、「鉄くず拾いの物語」(ダニス・タノヴィッチ2013)、「パプーシャの黒い瞳」(ヨアンナ・コス=クラウゼ 、 クシシュトフ・クラウゼ 2013)

・(4月15日)チリ出身の映画監督 アレハンドロ・ホドロフスキー、「エル・トポ」発表
*監督作品「エル・トポ」(1969)、「ホーリー・マウンテン」(1973)、「サンタ・サングレ/聖なる血」(1989)、「ホドロフスキーの虹泥棒」(1990)、「リアリティのダンス」(2013)、「エンドレス・ポエトリー」(2016)他
*題材映画「ホドロフスキーのDUNE」(フランク・バビック2013)

・(5月19日)ソ連の火星無人探査プログラム、マルス(Mars)計画で「マルス2号」打ち上げ 火星に着陸機を投下し失敗するも火星に到達した最初の人工物となる 5月28日に打ち上げた「マルス3号」、着陸機を投下し始めて火星に着陸 しかし砂嵐のため着陸後20秒で通信途絶

・(7月03日)ドアーズのジム・モリソン(27)、死す
*題材映画「ドアーズ」(オリバー・ストーン1991)、「ドアーズ まぼろしの世界」(トム・ディチロ2009)
・(1969年7月03日)ブライアン・ジョーンズ(27)、死す
・(1970年9月18日)ジミ・ヘンドリックス(27)、死す
・(1970年10月4日)ジャニス・ジョプリン(27)、死す
・(7月06日)アフリカ系米国ジャズミュージシャン「サッチモ」ことルイ・アームストロング(69)、死す
*出演映画「真夏の夜のジャズ」(バート・スターン1959)、「パリの旅愁」(マーティン・リット1961)、「ミニー・ザ・ムーチャー」(マニー・ピストン1981)他
・(8月01日)マジソン・スクエア・ガーデンで「バングラデシュ難民救済コンサート」開催 ジョージ・ハリソンの呼びかけで

・(7月09日)阪神の江夏豊、オールスターゲームで9連続奪三振
・(7月12日)放浪の画家「裸の大将」 山下清(49)、死す

・(7月30日)自衛隊のF-86戦闘機と全日空のボーイング727型機が、岩手県雫石上空で空中衝突、乗客162人全員死亡 戦闘機のパイロットは脱出

・(8月07日)混乱のため以後の開催が中止された「第3回全日本フォークジャンボリー」(中津川フォークジャンボリー)開催 吉田拓郎、サブステージで小室等と六文銭とともに「人間なんて」をマイク無しで延々と歌う

・英が、1968年にスエズ以東地域からの撤退を発表したことのより、独立して存続が困難な小首長国を中心に湾岸首長国連邦(FAE)結成を目指す
○バーレーン:FAEには加盟せず、バーレーン国として独立(8月)
○カタール:FAEには加盟せず、カタール国として独立(9月3日)
○アラブ首長国連邦(UAE):(12月)アブダビ、ドバイなどと共に独立
○オマーン:旧国名ザンジバル(英の保護領)、オマーン国として独立1971年
○クウェート:1961年イギリス支配から独立

・(8月23日)1968年1月の青瓦台襲撃未遂事件の報復の為、韓国が編成した金日成暗殺部隊(684部隊)の反乱事件(実尾島事件)発生 南北関係が好転し、その存在意義が疑問視された時期にあたる
*題材映画「シルミド」(カン・ウソク2003)
・(8月25日)日活「八月の濡れた砂」(藤田敏八)と「不良少女魔子」(蔵原惟二)の2本立て封切 ロマンポルノ路線移行前の日活最後の作品
・(9月04日)大映 「夜の診察室」(帯盛廸彦 主演:松坂慶子(19))と「遊び」(増村保造 主演:関根恵子(16))の2本立て封切
・(9月08日)中国の林彪副主席が毛沢東の暗殺計画に失敗 逃走中モンゴルで墜落死

・(9月09日)ジョン・レノン、前年の「ジョンの魂」に続き、ビートルズ解散後の2枚目のアルバム「イマジン」発表
「兵隊にはなりたくない」や「真実が欲しい」などの政治色の強い楽曲やポール・マッカートニーを辛辣に誹謗中傷した曲「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ?(眠れるかい?)」が収録されている ジョン・レノンの最大のヒット・アルバム
・(9月18日)チキンラーメンの開発者、日清の安藤百福発案のカップヌードルが発売される
・(10月21日)沖縄協定批准に反対の第一波全国統一行動 600ヶ所、150万人参加 第二波11月19日 53万2千人参加 その際、日比谷松本楼全焼
・(11月11日)川崎市生田で、科学技術庁が実施した崖崩れ再現実験が失敗 15人死亡(川崎ローム斜面崩壊実験事故)
・(11月17日)100年前(1871年)のこの日、全米ライフル協会(National Rifle Association NRA)設立 会員:400万人 米の銃愛好家の市民団体で事実上の圧力団体 合衆国憲法修正条項第2条に定められた「武器を所持して携帯する権利」を根拠に、銃規制に反対している スローガン:「銃が人を殺すのではない、人が人を殺すのだ」

・(11月20日)泉谷しげる ライヴアルバム「泉谷しげる登場」でデビュー セカンドアルバム「春・夏・秋・冬」発表(1972年4月25日)
・(11月20日)日活ロマンポルノ誕生 第1作「団地妻 昼下がりの情事」など2本封切

・(12月00日)月刊誌「面白半分」初代編集長に吉行淳之助を迎え「面白くてタメにならない雑誌」として創刊(1972年1月号)その後、編集長はほぼ半年ごとに交代 吉行の後、野坂昭如、開高健、五木寛之、藤本義一、金子光春、井上ひさし、遠藤周作、田辺聖子、筒井康隆、半村良、田村隆一 1980年に倒産により廃刊  

・(12月20日)赤十字の医療支援活動のためにナイジェリア内戦中のビアフラに派遣されたフランス人医師たちを中心に非政府組織(NGO)「国境なき医師団」が創設される 各国政府の中立を装う態度や、沈黙を守る赤十字の活動に限界を感じて
・アリス・ウオーターズ(Alice waters)が、ポール・アラトウ(Paul Aratow)と共同で地元食材を使ったオーガニック料理レストラン・シェパニーズ(Chez Panisse)をカリフォルニア州バークレーに開店

・真崎守、「ジロがゆく」「はみだし野郎の子守唄」で第2回講談社出版文化賞受賞

・第32回ヴェネツィア映画祭 1969年から1979年までの10年間は賞の審査が行われなかった
・第24回カンヌ映画祭パルム・ドール「恋」(ジョゼフ・ロージー)
・第22回ベルリン映画祭(ベルリナーレ)金熊賞 「カンタベリー物語」(ピエル・パオロ・パゾリーニ)
・第45回キネマ旬報ベストワン「儀式」(大島渚)、「ベニスに死す」(ルキノ・ヴィスコンティ)
・第44回アカデミー作品賞「フレンチ・コネクション」(ウィリアム・フリードキン)、外国語映画賞「悲しみの青春」(ヴィットリオ・デ・シーカ)
・第13回グラミー賞最優秀アルバム賞「Bridge Over Trouble Water(明日に架ける橋)」(サイモン&ガーファンクル)
・パブロ・ネルーダ(チリの詩人)がノーベル文学賞受賞
・ウィリー・ブラント(旧西ドイツの政治家)がノーベル平和賞受賞