1979

1979年(昭和54年)  

・(1月01日)アメリカ合衆国と中華人民共和国が国交樹立
・(1月06日)ベトナムがプノンペンを制圧し、カンボジア人民共和国ヘンサムリン政権樹立 ベトナム軍20万人の駐留を合法化 国内には、プノンペン政権、シアヌーク派、ソンサン派、クメールルージュの4勢力が対立したまま
・(2月17日)カンボジア支配をめぐり中越紛争勃発 国境全域で戦闘
・(1月26日)大阪の三菱銀行北畠支店で猟銃人質事件(三菱銀行人質事件)
*題材映画「TATTOO<刺青>あり」(高橋伴明1982)

・(2月01日)ホメイニ師らシーア派の法学者を支柱とする反対勢力が、親米のパフラヴィー国王を追放し政権奪取 イスラム共和制に(イラン革命)元国王は米に亡命 テヘランで学生デモ隊が米大使館占拠 館員人質に(11月4日)
*題材映画「ペルシャ猫を誰も知らない」「サイの季節」(バフマン・ゴバディ2010.2015)、「スリー・オブ・アス」(ケイロン2016)

・(2月12日)仏の映画監督 ジャン・ルノワール(84)、死す
*監督作品「ボヴァリー夫人」(1933)、「大いなる幻影」(1937)、「ラ・マルセイエーズ」「獣人」(1938)、「南部の人」(1945)、「河」(1951)、「黄金の馬車」(1953)、「フレンチ・カンカン」(1954)、「草の上の昼食」(1959)、「捕えられた伍長」(1962)他

・(3月26日)エジプト・イスラエル平和条約 エジプト、イスラエルを正式に承認した最初のアラブ国家、1994年の平和条約により、ヨルダンがこれに続く

・(3月28日)米スリーマイル島原子力発電所で放射能漏れ事故
*関連映画「原子力戦争」(黒木和雄1978)、「チャイナ・シンドローム」(ジェームズ・ブリッジズ1979)、「シルクウッド」(マイク・ニコルズ1983)

・(3月00日)反権力スキャンダル雑誌「噂の真相」創刊 編集発行人:岡留安則
・(4月07日)「機動戦士ガンダム」(~ 1980年1月26日全43話)TV放映開始
・(5月04日)英で保守党の党首・鉄の女・先進国初の女性首相、サッチャー就任
*題材映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(フィリダ・ロイド2011)
・(5月00日)村上春樹(30)、「風の歌を聴け」でデビュー(群像新人文学賞)
*原作映画「風の歌を聴け」(大森一樹1980)、「パン屋襲撃」「100%の女の子」(山川直人1982.1983)、「森の向こう側」(野村恵一1988)、「トニー滝谷」(市川準2004)、「神の子どもたちはみな踊る」(ロバート・ログヴァル2008)、「四月のある晴れた朝に100%の女の子に出会うことについて」(トム・フリント2008)、「ノルウェイの森」(トラン・アン・ユン2010)、「パン屋再襲撃」(カルロス・キュアロン2010)

・(6月16日)米の映画監督 ニコラス・レイ(67)、死す
*監督作品「夜の人々」(1949)、「暗黒への転落」(1949)、「孤独な場所で」(1950)、「大砂塵」(1954)、「理由なき反抗」(1955)、「熱い血」(1956)、「エヴァグレイズを渡る風」(1958)、「暗黒街の女」(1958)、「キング・オブ・キングス」(1961)、「北京の55日」(1963)他

・(6月20日)ニカラグア、米ABC特派員のビル・スチュアートが暴行、射殺される映像が全世界にTV中継される(9月)3000人の市民を無差別虐殺(エステリ虐殺)
 サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)の大規模な反政府軍事攻撃と市民のゼネラル・ストライキにより1936年から続いた親米のソモサ親子2代3人の独裁政権打倒(サンディニスタ革命)
*題材映画「アンダー・ファイアー」(ロジャー・スポティスウッド1983)、「カルラの歌」(ケン・ローチ 1996)

・(7月01日)ソニー、ウォークマン第1号機発売 以降、1億6千万台発売
・(7月11日)7台の玉突き事故から、3日間にわたりトンネル内で爆発炎上 7人死亡 170台以上が被災(東名高速日本坂トンネル事故)
・(7月17日)イラク、バース党政権でサダム・フセインが大統領に イラン・イラク戦争、湾岸戦争を経て2003年3月米とのイラク戦争に敗れ、バース党政権、終止符
・(9月03日)「昭和の名人」と称された落語家の六代目三遊亭圓生死ぬ(79歳の誕生日)1978年、落語協会の真打大量昇進に抗議して脱退(落語協会分裂騒動)多くの落語家が協会に戻る中、一門で落語三遊協会を結成 以後、寄席(落語定席)に出演不能に

・(10月10日)宝塚歌劇団による舞台化の大成功によりヒットに拍車がかかった「ベルサイユのばら」のTVアニメ放送開始 「ベルばら」ブームは、社会現象化

・(10月14日)環境保全、自然保護の分野で活動する「グリーンピース」がアムステルダムに本部を置き設立される その過剰な活動に対しエコテロリズムとの批判も
・(10月26日)世界保健機構(WHO)が、地球上から天然痘が根絶されたと宣言 米のCDC(疾病管理センター)とロシアのウイルス製剤研究所に厳重に保管されている
・映画「君よ憤怒の河を渉れ」(佐藤純彌1976)が、中国で文化大革命後に初めて公開された外国映画として「追補」の題名で公開 大変な人気を呼び「日本人の印象が変わった」と言わしめる

・(10月26日)韓国の朴正煕大統領が、暗殺される(10・26事件)直後に厳戒令が敷かれ「粛軍クーデター」、全斗煥少将が軍の実権を掌握(12月12日)
*題材映画「その時、その人々」(イム・サンス2005)、「南営洞1985 国家暴力、22日間の記録」(チョン・ジヨン2012)、「KCIA 南山の部長たち」(ウ・ミンホ2019)
・(11月04日)イランアメリカ大使館人質事件発生
・(11月20日)サウジアラビア、イラン革命に影響を受けたイスラム過激主義者によるアル・ハラム・モスク占拠事件 武力鎮圧 以後過激派に配慮した政策に
・(12月10日)台湾高雄市で雑誌「美麗島」主催の民主化デモ 治安部隊により弾圧される(美麗島事件)

・(12月24日)アフガニスタンでクーデター(1978年)後に、アフガニスタン紛争(1978年~1989年)が起きたが、ソ連軍が介入し(1979年)「新冷戦」に
*題材映画「鬼戦車T-34」(ニキータ・クリーヒン1964)、「レッド・アフガン」(ケヴィン・レイノルズ1988)、「ランボー3/怒りのアフガン」(ピーター・マクドナルド1988)、「精神の声」(アレクサンドル・ソクーロフ1995)、「アフガン」(フョードル・ボンダルチュク2005)、「チャーリー・ウイルソンズ・ウォー」(マイク・ニコルズ2007)、「レストレポ~アフガニスタンで戦う兵士たちの記録~」(セバスチャン・ユンガー、ティム・ヘザリントン2010)

・第36回ヴェネツィア映画祭 1969年から1979年までの10年間は賞の審査が行われなかった
・第32回カンヌ映画祭パルム・ドール「地獄の黙示録」(フランシス・フォード・コッポラ)、「ブリキの太鼓」(フォルカー・シュレンドルフ)
・第30回ベルリン映画祭金熊賞「Heartland」(リチャード・ピアース)、「Palermo or Wolfsburg」(ヴェルナー・シュレーター)
・第53回キネマ旬報ベストワン「復讐するは我にあり」(今村昌平)、「旅芸人の記録」(テオ・アンゲロプロス)
・第52回アカデミー作品賞「クレイマー、クレイマー」(ロバート・ベントン)、外国語映画賞「ブリキの太鼓」(フォルカー・シュレンドルフ)
・第21回グラミー賞最優秀アルバム賞「Saturday Night Fever」(Various Artists)
・オデッセアス・エリティス(ギリシャの詩人)がノーベル文学賞受賞
・マザー・テレサ(マケドニアの修道女)がノーベル平和賞受賞