1999

1999年(平成11年)  

・(1月14日)仏のイラストレーター、漫画家 レイモン・ペイネ(90)、死す
*原作映画「ペイネ 愛の世界旅行」(チェザーレ・ペルフェット1974)

・(1月21日)100年前(1899年)のこの日、元幕臣、勝海舟(75)、死す 山岡鉄舟、高橋泥舟と共に、「幕末の三舟」と呼ばれる

・(3月07日)米の映画監督 スタンリー・キューブリック(70)、死す
*監督作品「恐怖と欲望」(1953)、「現金に体を張れ」(1956)、「突撃」(1957)、「スパルタカス」(1960)、「ロリータ」(1962)、「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」(1964)、「2001年宇宙の旅」(1968)、「時計じかけのオレンジ」(1971)、「バリー・リンドン」(1975)、「シャイニング」(1980)、「フルメタル・ジャケット」(1987)、「アイズ・ワイド・シャット」(1999)他

・(3月00日)オタワ条約(対人地雷全面禁止条約)が発効 国連によると埋設されている地雷は世界70ヶ国に約1億1千万個、またほぼ同数の備蓄がある 米中ロなどは条約に不参加
・(3月23日)能登半島沖不審船事件 海上自衛隊警告射撃(自衛隊法に基づく初の海上警備行動)北朝鮮からのミグ21戦闘機に対抗して航空自衛隊も発進、日本海上空を旋回
・(3月24日)NATO軍、ユーゴスラビア・コソボ自治州紛争で空爆 国連安保理の承認はなく、ロシアと中国は強く反発(5月には、中国大使館を誤爆)
*題材映画「ブラックバード・ライジング」(クラウディオ・ボニヴェント2003)、「バーバリアンズ セルビアの若き眼差し」(イバン・イキッチ 2014)
・(3月00日)昭和館 開館(名称、歴史認識や景観をめぐって曲折の末)また、国立公文書館アジア歴史資料センターの収集文書の範囲縮小の方針決定(自民党の一部に「新たな自虐史観を生み出しかねない」との反対意見が根強いことが背景)
・(4月00日)日本鋼管(NKK)韓国人労働者戦後補償訴訟 和解(外国人の戦後補償をめぐる裁判で被害者が生きている間に企業が和解に応じたのは初めて)

・(4月20日)米 コロンバイン高校銃乱射事件 容疑者2名自殺含め死者15人
*題材映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」(マイケル・ムーア2002)、「エレファント」(ガス・ヴァン・サント2003)
・(4月25日)北京で1万人を超える法輪功学習者による「中南海事件」発生 共産党、この事件を機に激しい迫害を開始 非合法化(7月22日)
*題材映画「人狩り(Human Harvest)」、「馬三家からの手紙」(レオン・リー2018)
・(5月00日)新ガイドライン(新しい日米防衛協力のための指針)関連3法が成立 1.周辺事態措置法―後方地域支援、捜索・救援活動、自治体・民間の協力など 2.自衛隊法改定―邦人救出の為、自衛隊艦船を海外派遣(現行は自衛隊機限定) 3.物品役務相互提供協定(ACSA)の改定―米国への補給や支援を戦時にも出来るように改定(現行協定は平時・演習に限定)

・(5月06日)日本画家 東山 魁夷(90)、死す

・(7月01日)米の映画監督 エドワード・ドミトリク(90)、死す
*監督作品「ケイン号の叛乱」(1954)、「情事の終り」「一攫千金を夢見る男」(1955)、「山」(1956)、「愛情の花咲く樹」「若き獅子たち」(1958)、「ワーロック」「嘆きの天使」(1959)、「荒野を歩け」(1962)、「愛よいずこに」(1964)、「大いなる野望」「蜃気楼」(1965)、「シャラコ」(1972)、「十字砲火」(1986)他

・(6月03日)100年前(1898年)のこの日、「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス2世(73)、死す
*題材映画「グレート・ワルツ」(ジュリアン・デュヴィヴィエ1938)、「美しく青きドナウ」(アンドリュー・L・ストーン1972)、「ヴィナーワルツ 激しくも愛に燃えて・・・」(フランツ・アンテル1987)
・(7月00日)カリフォルニア州議会で「第二次世界大戦奴隷強制労働訴訟の時効延長に関する州法」が成立 条文に「ナチ政権とその同盟国」の企業に賠償請求ができるとあり、「戦時日系企業の強制労働に対する米軍元捕虜の損害賠償訴訟」が米で拡大
・(7月9日)改正外国人登録法が成立 1955年以来続いていた指紋押捺制度が全廃に(定住者や在日韓国・朝鮮人に対しては93年に廃止)登録証の所持義務は継続
・(8月09日)(日の丸・君が代)国旗・国家法
・(8月12日)通信傍受(盗聴)法など組織的犯罪対策3法、改正住民基本台帳法 成立
・(8月31日)ロシア高層アパート連続爆破事件発生(9月22日には、リャザン事件発覚)新首相プーチンは、これをチェチェン独立派武装勢力のテロと断定し、チェチェンへ侵攻(第2次チェチェン戦争の発端に)
 これに対し ジャーナリスト アンナ・ポリトコフスカヤ 第2次チェチェン紛争やプーチンに対し 批判を強める
*関連映画「あの日の声を探して」(ミシェル・アザナビシウス 2014)
・(9月00日)DDIポケット(現ワイモバイル)世界で初めてのカメラ付きPHS端末「VP-210」(京セラ製)販売(同時に世界で初めて市販された移動体電話上のテレビ電話)
・(9月08日)池袋サンシャイン通り魔殺人事件 下関駅通り魔殺人事件(29日)
・(9月30日)茨城県東海村の「JCO東海事業所」で国内初の臨海事故が発生 原因は人為ミス 大内久作業員が死亡(12月・日本原子力開発史上初めての死者)
・(10月26日)「桶川ストーカー殺人事件」警察の怠慢、捜査調書の改竄、清水潔記者の執念!しかし、この事件の教訓は生かされていない「長崎ストーカー殺人事件」(2011年12月16日)、「三鷹女子高生殺人事件」(2013年10月8日)等が発生

・(12月18日)仏の映画監督 ロベール・ブレッソン(98)、死す
*監督作品「罪の天使たち」(1943)、「ブローニュの森の貴婦人たち」(1945)、「田舎司祭の日記」(1950)、「抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-」(1956)、「スリ(掏摸)」(1960)、「ジャンヌ・ダルク裁判」(1962)、「バルタザールはどこへ行く」(1964)、「少女ムシェット」(1967)、「やさしい女」(1969)、「白夜」(1971)、「たぶん悪魔が」(1977)、「ラルジャン」(1983)他

・(12月00日)中国、南疆鉄道、新疆ウイグル自治区のトルファンからカシュガルまで1446km全線開通

・米タイムス社「20世紀で最も重要な(20世紀の最も影響力のある)100人」発表
「指導者と政治家」部門
 
①ルーホッラー・ホメイニ(イラン・イスラム共和国初代最高指導者、イラン革命の指導者)②アドルフ・ヒトラー(ナチスドイツ指導者)③ダヴィド・ベン=グリオン(イスラエル初代首相)④エレノア・ルーズベルト(米32代大統領夫人、米国連代表、婦人運動家)⑤フランクリン・ルーズベルト(米32代大統領)⑥ウィンストン・チャーチル(英第61代首相)⑦ホー・チ・ミン(ベトナム民主共和国初代国家主席)⑧ネルソン・マンデラ(南アフリカ共和国第8代大統領)⑨レフ・ヴァウェンサ(ワレサ)(ポーランド共和国第三共和制初代大統領)⑩毛沢東(中華人民共和国初代国家主席)⑪マーガレット・サンガー(女性活動家)⑫マーガレット・サッチャー(英第71代首相)⑬マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(公民権運動家指導者)⑭ロナルド・レーガン(米第40代大統領)⑮ミハイル・ゴルバチョフ(ソ連第8代最高指導者)⑯ヨハネ・パウロ2世(第264代ローマ教皇)⑰セオドア・ルーズベルト(米第26代大統領)⑱マハトマ・ガンジー(インド独立運動指導者)⑲無名の反逆者(戦車男)(1989年中国天安門事件で迫り来る戦車の前に立ちはだかった男)

「科学者と思想家」部門
①アラン・チューリング(コンピュータ科学者、数学者)②アレクサンダー・フレミング(細菌学者「ペニシリン」発見者)③エドウィン・ハップル(天文学者)④エンリコ・フェルミ(物理学者、放射性元素を発見)⑤ジェームズ・ワトソン、フランシス・クリック(分子生物学者、DNAの分子構造における共同発見者)⑥ジャン・ピアジェ(心理学者、子供の発育と思考メカニズムを解明)⑦ジョン・メイナード・ケインズ(経済学者、マクロ経済学を確立)⑧ジョナス・ソーク(医学者、ポリオワクチンを発見)⑨クルト・ゲーデル(数学者)⑩レオ・ベークランド(科学者、プラスチックを発明)⑪ルードヴィッヒ・ウィトゲンシュタイン(哲学者)⑫ライト兄弟(飛行機の発明者)⑬アルベルト・アインシュタイン(理論物理学者)⑭フィロ・ファーンズワース(完全電子式テレビを発明)⑮レイチェル・カーソン(生物学者)⑯ロバート・ゴダード(ロケットの開発者)⑰ジークムント・フロイト(心理学者、精神分析学の創始者)⑱ルイス・リーキー(古人類学者)⑲ティム・バーナーズ=リー(計算機科学者、World Wide Webを発明)⑳ウィリアム・ショックレー(物理学者、トランジスタを発明)

「アーティストとエンターティナー」部門
① レサ・フランクリン(女性ソウル歌手、シンガーソングライター)②バート・シンプソン(テレビアニメ「ザ・シンプソンズ」のメインキャラクター)③ボブ・ディラン(ミュージシャン)④チャールズ・チャップリン(コメディアン、映画監督・俳優)⑤ココ・シャネル(ファッション・デザイナー)⑥フランク・シナトラ(俳優、ミュージシャン)⑦イーゴリ・ストラヴィンスキー(作曲家、指揮者、ピアニスト)⑧ジェイムズ・ジョイス(作家)⑨ジム・ヘンソン(操り人形師、TVプロデューサー)⑩ル・コルビュジュ(建築家)⑪ルイ・アームストロング(ジャズミュージシャン)⑫ルシル・ボール(女優・コメディアンヌ)⑬マーロン・ブランド(俳優)⑭マーサ・グレアム(ダンサー、振付師)⑮オプラ・ウィンフリー(TV司会者、番組プロデューサー)⑯パブロ・ピカソ(画家、美術家)⑰リチャード・ロジャース(作曲家)オスカー・ハマースタイン2世(ミュージカル作詞家、脚本家)⑱スティーブン・スピルバーグ(映画監督、映画プロデューサー)⑲ビートルズ(ロックバンド)⑳T・S・エリオット(作家)

「時代の創造者/先駆者と偉大な人物」部門
①A・P・ジアニー二(バンク・オブ・アメリカの創設者)②盛田昭夫(ソニーの共同創造者)③ビル・ゲイツ(マイクロソフト共同創業者、ビル&メリンダ・ゲイツ財団共同会長)④チャールズ・メリル(メリルリンチの創業者)⑤デービッド・サーノフ(元NBC会長、テレビ、ラジオ放送事業の先駆者)⑥エスティ・ローダー(化粧品ブランドの創業者)⑦ヘンリー・フォード(フォード・モーターの創業者)⑧ファン・トリップ(パンアメリカン航空の創業者)⑨レオ・バーネット(レオ・バーネット・ワールドワイドの創業者)⑩ルイス・バート・メイヤー(映画プロデューサー)⑪ラッキー・ルチアーノ(伊系マフィア「コーザ・ノストラ」の最高幹部)⑫ピート・ロゼール(NFLの元コミッショナー)⑬レイ・クロック(マクドナルドコーポレーションの創業者)⑭サム・ウォルトン(ウォルマートの創業者)⑮ステファン・ベクテル(建設会社「ベクテル」の創業者(一族))⑯トーマス・J・ワトソン・ジュニア(IBMの2代目社長)⑰ウォルト・ディズニー(アニメーター、映画監督、ウォルト・ディズニー・カンパニーの創業者)⑱ウォルター・ルーサー(労働運動のリーダー)⑲ウィリアム・レビット(郊外型大規模住宅開発を促進)⑳ウィリス・キャリア(エア・コンの発明者)

「人々の記憶に強く残る人物と英雄」部門
①アンドレイ・サハロフ(理論物理学者、反体制活動家、人権活動家)②アンネ・フランク(「アンネの日記」の著者)③ジョン・F・ケネディ(米第35代大統領)④マザー・テレサ(平和・事前活動家)⑤ヘレン・ケラー(教育家、社会福祉事業家)⑥モハメド・アリ(元プロボクサー)⑦ペレ(元サッカー選手)⑧ブルース・リー(中国武術家、映画俳優)⑨ジャッキー・ロビンソン(元メジャー・リーガー)⑩マリリン・モンロー(女優)⑪ウェールズ公妃ダイアナ(慈善活動家)⑫チャールズ・リンドバーグ(飛行家、初めて大西洋単独無着陸飛行に成功)⑬エドモンド・ヒラリー、テンジン・ノルゲイ(初めてエベレスト登頂に成功)⑭アメリカの兵士(第2次世界大戦中、ファシズムを倒し世界の自由を守るために戦ったアメリカの名も無き兵士達)⑮エメリン・パンクハースト(婦人参政権活動家)⑯ビル・ウィルソン(「アルコホーリスク・アノニマス(AA)」の共同創設者、アルコール依存症克服のための活動家)⑰ハーヴェイ・ミルク(政治家、ゲイの権利活動家)⑱チェ・ゲバラ(革命家)⑲ビリー・グラハム(キリスト教の福音伝道師、牧師)⑳ローザ・パークス(公民権運動活動家)

・今年の漢字は、「末」、流行語大賞は、「ブッチホン」「リベンジ」「雑草魂」
・第56回ヴェネツィア映画祭金獅子賞「あの子を探して」(チャン・イーモウ)
・第52回カンヌ映画祭パルム・ドール「ロゼッタ」(ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ )
・第50回ベルリン映画祭金熊賞「マグノリア」(ポール・トーマス・アンダーソン)
・第73回キネマ旬報ベストワン「あ、春」(相米慎二)、「恋におちたシェークスピア」(ジョン・マッデン)
・第72回アカデミー作品賞「アメリカン・ビューティー」(サム・メンデス)、外国語映画賞「オール・アバウト・マイ・マザー」(ペドロ・アルモドヴァル)
・第41回グラミー賞最優秀アルバム賞「The Miseducation of Lauryn Hill(ミスエデゥケーション)」(ローリン・ヒル)
・ギュンター・グラス(ドイツの作家)がノーベル文学賞受賞
・国境なき医師団(MSN)がノーベル平和賞受賞