1976

1976年(昭和51年)  

・(1月02日)小説家・料理家「最後の無頼派作家」檀一雄(63)、死す
*原作映画「真説 石川五右衛門」(関川秀雄1951)、「夕日と拳銃」(佐伯清1956)、「少年猿飛佐助」(河野寿一1958)、「山と谷と雲」(牛原陽一1959)、「無鉄砲社員」(鈴木敏郎1961)、「愛と悲しみと」(大庭秀雄1962)、「かあちゃん結婚しろよ」(五所平之助1962)、「火宅の人」(深作欣二1986)、「花筐/HANAGATAMI」(大林宣彦2017)他

・(1月08日)周恩来(77)、死す 中華人民共和国建国の1949年10月1日以来、死去するまで一貫して政務院総理・国務院総理を務め、毛沢東の信任を繋ぎとめ、文化大革命中も失脚しなかった養女の孫維世は、江青の嫉妬を買い北京公安局の留置場にて全裸で暴行死(ソ連のスパイであるとする逮捕状に署名したのは、周恩来自身)養子は、李鵬
・(4月05日)第1次天安門事件 周恩来追悼の献花の当局による撤去に怒った民衆と警官隊が衝突 騒乱状態となる

・(1月12日)英の推理作家 アガサ・クリスティ(85)、死す
*題材映画「アガサ 愛の失踪事件」(マイケル・アプテッド1979)
*原作映画「情婦」(ビリー・ワイルダー1958)、「オリエント急行殺人事件」(シドニー・ルメット1974)、「ナイル殺人事件」(ジョン・ギラーミン1978)、「クリスタル殺人事件」「地中海殺人事件」(ガイ・ハミルトン1980.1982)、「死海殺人事件」(マイケル・ウィナー1988)、「アガサ・クリスティの奥さまは名探偵」「ゼロ時間の謎」「奥さまは名探偵~パディントン発4時50分」(パスカル・トマ2005.2006.2007)、「華麗なるアリバイ」(パスカル・ボニゼール2008)
・(1月23日)大和運輸「宅急便」誕生 1日目の取扱量は11個 1976年の想定取り扱いは20万個だったが、実際には170万個 2016年の取扱量は18億6756万個!
・(2月04日)冬季五輪(第12回)インスブルック大会 冬季パラリンピック(第1回)エーンシェルドスピーク大会 五輪銀盤の女王は、ドロシー・ハミル(米)

・(2月06日)米上院外交委員会多国籍企業小委員会公聴会、ロッキード社が航空機販売に絡み日本政府に巨額の高額資金を流したと暴露
・(7月27日)前総理・田中角栄、ロッキード事件に絡み逮捕される「総理の犯罪」
・(2月27日)西サハラ(旧スペイン領サハラ):スペインが領有権を放棄して撤退後(1969年)、モーリタニアとモロッコが分割統治 一方、独立を目指すサギアエルハムラ・リオデオロ解放戦線(通称ポリサリオ戦線)がアルジェで亡命政権サハラ・アラブ民主共和国樹立
 その後、モーリタニアが領有権を放棄、その地をモロッコが不法占領し、西サハラを南北に貫く軍事境界線「砂の壁」を築きポリサリオ戦線支配下の東側(解放区)を分断
・(3月01日)韓国で金大中ら12人が「民主救国宣言」を発表し、朴正煕政権を批判

・(3月17日)伊の映画監督 ルキノ・ヴィスコンティ(69)、死す
*監督作品「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1942)、「揺れる大地」(1948)、「白夜」(1957)、「若者のすべて」(1960)、「山猫」(1963)、「熊座の淡き星影」(1965)、「異邦人」(1968)、「地獄に堕ちた勇者ども」(1969)、「ベニスに死す」(1971)、「ルードヴィヒ」(1972)、「家族の肖像」(1974)、「イノセント」(1975)他

・(3月24日)アルゼンチン、ペロンの3度にわたる大統領時代を経て、ホルヘ・ラファエル・ビデラ将軍がクーデター 官僚主義的権威主義体制のもと、ペロニスタや左翼を大弾圧(汚い戦争)経済政策に失敗し、天文学的なインフレーションに
*関連映画「オフィシャル・ストーリー」(ルイス・プエンソ1985)、「スール/その先は・・・愛」(フェルナンド・E・ソラナス1988)、「コブリック大佐の決断」(セバスティアン・ボレンスタイン2016)

・(4月25日)英の映画監督 キャロル・リード(69)、死す
*監督作品「邪魔者は殺せ」(1947)、「落ちた偶像」(1948)、「第三の男」(1949)、「オリバー」(1968)、「フォロー・ミー」(1972)他

・(5月00日)村上龍「限りなく透明に近いブルー」でデビュー(群像新人文学賞)
*原作映画「限りなく透明に近いブルー」「だいじょうぶマイ・フレンド」「ラッフルズホテル」「トパーズ」「KYOKO」(村上龍1979.1983.1989.1992.1996)、「ラブ&ポップ」(庵野秀明1998)、「オーデション」(三池崇史2000)、「走れ!イチロー」(大森一樹2001)、「昭和歌謡大全集」(篠原哲雄2002)、「69 sixty nine」(李相日2004)

・(5月13日)ポル・ポト政権成立(民主カンプチアの首相に就任)以後4年間で国民の3分の1に当たる200~300万人が粛清や強制労働などで死亡したとされる
*題材映画「キリング・フィールド」(ローランド・ジョヒィ1985)、「地雷を踏んだらサヨウナラ」(五十嵐匠1999)、「消えた画 クメール・ルージュの真実」(リティ・パニュ2014)、「シアター・プノンペン」(ソト・クォーリーカー2014)、「FUNAN フナン」(ドゥニ・ドー2018 アニメ)

・(6月16日)南アフリカ、ヨハネスブルグのソウェト地区で「アフリカーンス語強制」反対集会が暴動に 死者500人の大参事に(ソウェト蜂起)
*題材映画「遠い夜明け」(リチャード・アッテンボロー1987)、「サラフィナ!」(ダレル・ジェームズ・ルート 1992)

・(6月20日)スウェーデン国王カール16世グスタフとシルヴィア王妃(ドイツ人一般人)の結婚式 前夜祭でABBAが新曲「ダンシング・クイーン」を歌う

・(7月03日)エールフランス139便がテロリストにハイジャックされ、ウガンダのエンテベ国際空港に強制着陸 イスラエル服役中のテロリスト40人の釈放要求に対し、イスラエルは人質解放の軍事作戦(サンダーボルト作戦)
*題材映画「エンテベの勝利」(マーヴィン・J・チョムスキー1976)、「特攻サンダーボルト作戦」(アーヴィン・カーシュナー1976)、「サンダーボルト救出作戦」(メナハム・ゴーラン1977)

・(7月04日)200年前(1776年)のこの日、アメリカ合衆国 独立宣言
*題材映画「レボリューション・めぐり逢い」(ヒュー・ハドソン1985)、「グローリー」(エドワード・ズウィック1989)、「パトリオット」(ローランド・エメリッヒ2000)、「ニュー・ワールド」(テレンス・マリック2005)他

・(7月17日)五輪(第21回)モントリオール大会開幕 アフリカの22ヶ国が人種差別政策に抗議してボイコット パラリンピック(第5回)トロント大会 五輪体操女王は、ナディア・コマネチ(ルーマニア)

・(7月28日)中国河北省唐山市で、M7.5の大地震 死者の数60~80万人(非公式)
*題材映画「唐山大地震」(フォン・シャオガン2010)
・(8月18日)板門店の国連軍管轄地で北の監視に支障が出るポプラの剪定作業をしていた米陸軍将校2人が北朝鮮兵士に斧や棍棒で撲殺される「ポプラ事件」反撃した国連軍との間で白兵戦の衝突に進展
 8月21日、国連軍は、韓国空軍、米空軍の護衛を受けポプラの木を切り倒す(ポール・バニアン作戦)その際、米は空母を派遣し、在韓米軍や韓国軍は臨戦態勢を取り北進の準備を進めていた この事件以降、共同警備区域に軍事境界線をひき、これを挟んで南北両軍兵士が向き合うことに
 1984年11月23日には「ソ連大学生越境事件」この大学生を追って軍事境界線を越えた朝鮮人民軍兵士と国連軍が銃撃戦 1998年2月には警備にあたっていた北朝鮮の大尉が韓国側に亡命
*関連映画「JSA」(パク・チャヌク2000)
・(9月06日)ソ連の最新鋭戦闘機ミグ25に乗ってペレンコ中尉、米に亡命のため、北海道の函館空港に強制着陸 中尉は米に亡命、機体は自衛隊百里基地へ
*関連映画「ファイヤーフォックス」(クリント・イーストウッド1982)、「FUTURE WAR 198X年」(舛田利雄、勝間田具治1982 アニメ映画)

・(8月02日)オーストリア出身の映画監督 フリッツ・ラング(85)、死す
*監督作品「ドクトル・マブゼ」(1922)、「メトロポリス」(1926)、「M」(1931)、「怪人マブゼ博士」(1933)、「激怒」(1936)、「暗黒街の弾痕」(1937)、「真人間」(1938)、「西部魂」「マンハント」(1941)、「外套と短剣」「飾り窓の女」「復讐は俺に任せろ」(1953)、「無頼の谷」(1955)、「死刑執行人もまた死す」(1987)、「恐怖省」(1988)、「条理ある疑いの彼方に」(2000)他

・(09月04日)長野県木曽郡南木曽町の妻籠宿(中山道42番目の宿場)重要伝統的建造物群保存地区の最初の選定地の一つに(秋田県の角舘、岐阜県の白川郷、京都の産寧坂・祇園新橋、山口県萩市の堀内・平安古地区と共に)

・(9月10日)米の脚本家・映画監督 ダルトン・トランボ(70)、死す
*監督/原作/脚本作品「ジョニーは戦場へ行った」(1971)
*題材映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」(ジェイ・ローチ2015)
*脚本映画「恋愛手帖」(サム・ウッド1940)、「ローマの休日」(ウィリアム・ワイラー1953)、「黒い牡牛」(アーヴィング・ラバー1956)、「スパルタカス」(スタンリー・キューブリック1960)、「栄光への脱出」(オットー・プレミンジャー1960)、「脱獄」「ダラスの熱い日」(デビッド・ミラー1962.1973)、「いそしぎ」(ヴィンセント・ミネリ1965)、「フィクサー」(ジョン・フランケンハイマー1968)、「パピヨン」(フランクリン・J・シャフナー1973)
・(10月05日)作家 武田泰淳(64)、死す
*原作映画「森と湖のまつり」(内田吐夢1958)、「貴族の階段」(吉村公三郎1959)、「処刑の島」(篠田正浩1966)、「ひかりごけ」(熊井啓1992)
・(10月16日)大島渚「愛のコリーダ」発表 宣伝用スチール写真等が、刑法175条違反で監督と出版社社長が起訴「猥褻!なぜ悪い?」と、憲法判断を求めたが、「当該書籍はわいせつ物に当らない」と判断を避けての無罪判決 「愛の亡霊」公開(1978)

・(10月23日)長谷川和彦、「青春の殺人者」で監督デビュー 2作目は「太陽を盗んだ男」(1979)3作目は未だ発表されず
同年、石井聰互(改名後、石井岳龍)、「高校大パニック」で監督デビュー その後、「狂い咲きサンダーロード」、「爆裂都市BURST CITY」、「逆噴射家族」(製作:長谷川和彦)等

・(11月21日)シルヴェスター・スタローン(30)脚本・主演による映画「ロッキー」公開「エイドリア~ン!!」アメリカン・ドリームを体現「荒んだ生活から一夜にして栄光を掴む」と

・週刊少年ジャンプで、「こちら葛飾亀有公園前派出所(こち亀)」(秋本治)連載開始

・(12月03日)100年前(1876年)のこの日、長州藩士、前原一誠(43)、萩の乱の首謀者として処刑される(維新の十傑の一人)辞世の戯句「これまではいかい御苦労からだどの よびだしの声まつむしや秋の風」
・(12月08日)米のロックバンド イーグルス アルバム「ホテル・カリフォルニア」発表
・オランダにおいてアヘン法改正 個人使用におけるソフトドラッグ(マリファナなど)の所持や使用が、法執行において低い優先順位に("コーヒーショップ"にて一定の量の販売と所持が許可される)
 オランダ政府の薬物(麻薬)に対する国内政策の2つの原則 1.薬物使用は公衆衛生の問題であり、犯罪ではない 2.薬物による害を減らす このためにハードドラッグ(コカインなど)とソフトドラッグ(マリファナなど)を政策上明確に区別する
*関連映画「グラスーマリファナvsアメリカの60年」(ロン・マン1999)、「ビー・バッド・ボーイズ」(ジェシー・ディラン2001)、「Super High Me」(Michael Blieden2007)、「スモーキング・ハイ」(デヴィッド・ゴードン・グリーン2008)他
・100年前の1876年、ワーグナーの歌劇・楽劇を演目とする第1回「バイロイト音楽祭」がハンス・リヒター指揮「ニーベルングの指輪」で開幕
 国賓としてバイエルン王ルードヴィヒ2世、ドイツ皇帝ヴィルヘルム1世、ブラジル皇帝ペドロ2世 また、フランツ・リスト、アントン・ブルックナー、チャイコフスキーなども鑑賞

・(12月17日)「スター誕生」(フランク・ピアソン)公開 ストライサンドの作曲・歌唱「スター誕生の愛のテーマ」が大ヒット(アカデミー歌曲賞・グラミー賞最優秀楽曲賞などを受賞)
*「スタア誕生」 (ウィリアム・A・ウェルマン1937)、「スタア誕生」 (ジョージ・キューカー1954)、「アリー/ スター誕生」 (ブラッドリー・クーパー2018)

・第35回ヴェネツィア映画祭 1969年から1979年までの10年間は賞の審査が行われなかった
・第29回カンヌ映画祭パルム・ドール「タクシードライバー」( マーティン・スコセッシ)
・第27回ベルリン映画祭金熊賞「処刑の丘」(ラリーサ・シェピチコ )
・第50回キネマ旬報ベストワン「青春の殺人者」(長谷川和彦)、「タクシー・ドライバー」(マーチン・スコセッシ)
・第49回アカデミー作品賞「ロッキー」(ジョン・G・アビルドセン)、外国語映画賞「ブラック・アンド・ホワイト・イン・カラー」(ジャン・ジャック・アノー)
・第18回グラミー賞最優秀アルバム賞「Still Crazy After All These Years(時の流れに)」(ポール・サイモン)
・ソール・ベロー(ロシアユダヤ系移民 米の作家)がノーベル文学賞受賞
・ベテイ・ウイリアムズとマイレッド・コリガン・マグワイア(共に北アイルラドの平和活動家)がノーベル平和賞受賞