1984

1984年(昭和59年) 

・(1月17日)200年前(1784年)のこの日(天明3年12月25日)江戸時代中期の俳人・画家、与謝蕪村(68)、死す「春の海 終日のたりのたり哉」「夏河を越すうれしさよ手に草履」「さみだれや大河を前に家二軒」「菜の花や月は東に日は西に」

・(2月08日)冬季五輪(第14回)サラエボ大会開催、冬季パラリンピック(第3回)インスブルック大会 五輪銀盤の女王は、カタリナ・ヴィット(東ドイツ)
・(2月13日)植村直巳 北米マッキンリーの冬季単独初登頂に成功 下山途中に行方不明に 最後に消息が確認されたのが2月13日(命日とされる)
*題材映画「植村直巳物語」(佐藤純弥1986)
・(2月21日)ロシアの作家 ミハイル・ショーロホフ(79)、死す
*原作映画「静かなるドン 黎明編」「静かなるドン 憂愁編」(セルゲイ・ゲラーシモフ1958)、「人間の運命」「祖国のために」(セルゲイ・ボンダルチュク1959、1972)
・(2月28日)第26回グラミー賞、マイケル・ジャクソン「スリラー」(プロデューサー:クインシー・ジョーンズ)、最優秀レコード賞、最優秀アルバム賞を含む8部門を受賞

・(3月24日)東京・有楽町のヌード劇場「日劇ミュージックホール」32年間の歴史に幕
・(4月01日)日本で最初の第三セクター鉄道・三陸鉄道営業開始
・(5月15日)筒井康隆の小説「虚構船団」発表
・(6月30日)米の劇作家 リリアン・ヘルマン(79)、死す
*原作映画「この三人」「偽りの花園」「噂の二人」(ウィリアム・ワイラー1936.1941.1961)、「ラインの監視」(ハーマン・シュムリン1943)、「ジュリア」(フレッド・ジンネマン1977)

・(5月11日)モーリス・ピアラ、ジャック・ドワイヨンらとともに「ポスト・ヌーヴェルヴァーグ」の一人とされるフィリップ・ガレル「自由、夜」公開
「内なる傷痕」「ギターはもう聞こえない」「愛の誕生」(1993)、「夜風の匂い」「白と黒の恋人たち」「愛の残像」「灼熱の肌」「ジェラシー」「パリ、恋人たちの影」他
・「裸の少年期」「愛の記念に」「悪魔の陽の下に」「ヴァン・ゴッホ」(モーリス・ピアラ)
・「ママと娼婦」(ジャン・ユスターシュ1981年11月4日 ピストル自殺(42))
・「小さな赤いビー玉」「あばずれ女」「ラ・ピラート」「ポネット」(ジャック・ドワイヨン)
・「ポスト・ヌーヴェルヴァーグ」運動の中、「恐るべき子供たち(BBC)」と呼ばれる3人が相次いでデビュー
・「ボーイ・ミーツ・ガール」「汚れた血」「ポンヌフの恋人」(レオス・カラックス)
・「最後の戦い」 「グラン・ブルー 」「ニキータ」(リュック・ベッソン)
・「ディーバ」「溝の中の月」「ベティ・ブルー」(ジャン=ジャック・ベネックス )

・(6月22日)米出身の映画監督 ジョセフ・ロージー(75)、死す
*監督作品「緑色の髪の少年」(1948)、「大いなる夜」(1951)、「エヴァの匂い」(1962)、「召使」(1963)、「銃殺」(1964)、「唇からナイフ」(1966)、「できごと」(1967)、「夕なぎ」(1968)、「恋」(1971)、「暗殺者のメロディ」(1972)、「人形の家」(1973)、「パリの灯は遠く」(1976)、「ドン・ジョヴァンニ」(1979)、「鱒」(1982)他

・(7月28日)五輪(第23回)ロサンゼルス大会開催 ソ連・東欧諸国はボイコット パラリンピック(第7回)ニューヨーク・アイストベリー大会 五輪体操女王は、メアリー・ルー・レットン(米)、新体操女王は、ローリ・ファン(カナダ)

・(8月04日)第1回アトミック・カフェ・フェスティバル、日比谷野外音楽堂で開催 尾崎豊(19)、高さ7mの照明台から飛び降り、左足骨折
・(8月25日)米の作家 トルーマン・カポーティ(59)、死す
*原作映画「ティファニーで朝食を」(ブレイク・エドワーズ1961)、「冷血」(リチャード・ブルックス1967)、「グラスハープ/草の竪琴」(チャールズ・マッソー1998)
*題材映画「カポーティ」(ベネット・ミラー2006)、「Infamous」(ダグラス・マクグラス2006)
・(8月30日)小説家・劇作家・演出家 有吉佐和子(53)、死す
・原作映画「紀ノ川」(中村登1966)、「私は忘れない」(堀内真直1960)、「新・女大学」(久松静児1960)、「香華」(木下惠介1964)、「華岡青洲の妻」(増村保造1966)、「不信のとき」(今井正1968)、「恍惚の人」(松山善三1973)他
・(9月03日)東京国立近代美術館フィルムセンター5階(最上階)フィルム保存庫から出火 日本国外の映画作品421作品中330作品が焼失(フィルムセンター火災)
・大道芸人 リー・ラリベルテ シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)設立
*題材映画「シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語」(アンドリュー・アダムソン2012)

・(9月09日)トルコの映画監督 ユルマズ・ギュネイ(47)、1981年脱獄 亡命先のパリで死す 反体制的とされ生涯に3度投獄 獄中から演出を指示した作品、上映禁止作品も多い
・作品「希望 」(1970脚本/監督)、「エレジー 」(1971監督)、「友」(1974監督)、「群れ」 (1978脚本/製作総指揮)、「敵 」(1979脚本/製作)、「路(みち)」 (1982脚本/監督)

・(10月21日)仏の映画監督 フランソワ・トリュフォー(52)、死す
*監督作品「あこがれ」(1958)、「大人は判ってくれない」(1959)、「ピアニストを撃て」(1960)、「突然炎のごとく」(1961)、「柔らかい肌」(1964)、「華氏451」(1966)、「夜霧の恋人たち」(1968)、「アメリカの夜」(1973)、「アデルの恋の物語」(1975)、「トリュフォーの思春期」(1976)他

・(10月30日)シーク教分離主義者の殲滅を進めるインドのインディラ・ガンジー首相暗殺される 後任は、長男のラジーヴ・ガンジー(1991年に暗殺 ガンジー家の悲劇)
・(10月31日)100年前(1884年)のこの日、秩父地方の数万の農民が政府に対して起こした(秩父困民党)武装蜂起事件、「秩父事件」勃発 自由民権期の激化事件の頂点
*題材映画「草の乱」(神山征二郎2004)

・(12月28日)米の映画監督 サム・ペキンパー(59)、死す
*監督作品「ワイルドバンチ」(1969)、「砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード」(1970)、「わらの犬」(1971)、「ゲッタウェイ」(1972)、「ガルシアの首」(1974)、「戦争のはらわた」(1977)、「コンボイ」(1978)他
*題材映画「サム・ペキンパー 情熱と美学」(マイク・シエゲル2005)

・文化大革命の影響も消え、中国映画界で「第五世代」が台頭する 最初の映画は、「一人と八人」(陳凱歌1983)また、文革により失速していた「第四世代」も戻ってくる この動きは「天安門事件」(1989.6.4)で事実上終結 多くの映画人が中国を去る
・「盗馬賊」「青い凧」「春の惑い」(田壮壮ティエン・チュアンチュアン)
・「天雲山伝奇」「芙蓉鎮」「乳泉村の子」(謝晋シエ・チン)
・「古井戸」「變臉 この櫂に手をそえて」(呉天明ウー・ティエンミン)
・「一人と八人」「黄色い大地」「大閲兵」「子供たちの王様」(陳凱歌チェン・カイコ―)
・「紅いコーリャン」「菊豆」「紅夢」「秋菊の物語」「活きる」(張芸謀チャン・イーモウ)
・「黒砲事件」「輪廻」「青島アパートの夏」「張りこみ」(黄建新ホアン・チェンシン)
・「最後の冬」「晩鐘」「太陽山」「南京1937」「国姓爺合戦」(呉子牛ウー・ツーニウ)
・「追跡者」「狂気の代償」「麻花売りの女」(周暁文チョウ・シャオウェン)等

・今年の新語は、「オシンドローム」、流行語は、「まるきん まるび」
・第41回ヴェネツィア映画祭金獅子賞「太陽の年」(クシシュトフ・ザヌーシ)
・第37回カンヌ映画祭パルム・ドール「パリ、テキサス」(ヴィム・ヴェンダース)
・第35回ベルリン映画祭金熊賞「Die Frau und der Fremde」( ライナー・ジモン)、「ウェザビー」(デヴィッド・ヘアー)
・第58回キネマ旬報ベストワン「お葬式」(伊丹十三)、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(セルジオ・レオーネ)
・第57回アカデミー作品賞「アマデウス」(ミロシュ・フォアマン)、外国語映画賞「La Diagonala du fou」(リシャール・デンボ)
・第26回グラミー賞最優秀アルバム賞「Thriller(スリラー)」(マイケル・ジャクソン)
・ヤロスラフ・サイフェルト(チェコの作家)がノーベル文学賞受賞
・デズモンド・ムビロ・ツツ(南アフリカの平和活動家)がノーベル平和賞受賞