1959

1959年(昭和34年)

・(1月01日)カストロ、チェなど革命軍がバティスタ政権を倒す キューバ革命
*題材映画「12の椅子」「ある官僚の死」「低開発の記憶-メモリアス」「天国の晩餐」「苺とチョコレート」(トマス・グティエレス・アレア1962.1966.1968.1978.1993)、「I AM CUBA」(ミハイル・カラタゾフ1964)、「ルシア」(ウンベルト・ソラス1968)、「キューバの恋人」(黒木和雄1969)、「ゲバラ!」(リチャード・フライシャー1969)、「さらばキューバ」(リチャード・レスター1979)、「ハバナ」(シドニー・ポラック1990)、「ハローヘミングウェイ」(フェルナンド・ペレス1990)、「チェ・ゲバラ人々のために」(マルセロ・シャプセス2000)、「モーターサイクル・ダイアリーズ」(ウォルター・サレス2004)、「チェ・ゲバラ&カストロ」(デヴィッド・アットウッド2004)、「ダンシング・ハバナ」(ガイ・ファーランド2004)、「チェ」(スティーブン・ソダーバーグ2008)、「セルヒオの手記-ユートピアからの亡命」(ミゲル・コユーラ2010)

・(1月03日)アメリカ、アラスカが49番目、ハワイが50番目の州に(8月21日)

・(1月15日)200年前(1759年)のこの日、大英博物館、開館 英国人自身にも「泥棒博物館」「略奪博物館」などと揶揄されているが、反面、大英博物館に収蔵されたことで散逸を免れ、研究が進んだという面も 各国からしばしば収蔵品の返還運動が起こされている
・(各国と共に抱えている文化財返還問題)
○ロゼッタ・ストーン(エジプト→英国/大英博物館)
○ネフェルティティの胸像(エジプト→ドイツ/新博物館)
○ハトシェプストの胸像(エジプト→米国/メトロポリタン)
○デンデラの黄道帯(エジプト→フランス/ルーブル美術館)
○エルギン・マーブル(ギリシャ→英国/大英博物館)
○勝利した若者像(イタリア→米国/ゲティ美術館)
○円明園十二生肖獣首銅像の鼠と兎(中国→フランス/個人)等

・(3月10日)チベット蜂起 ダライ・ラマ14世、8万人のチベット人と共に、インドに亡命 17条協定破棄を宣言し、北インドのダラムサラにチベット亡命政府誕生
*題材映画「リトル・ブッダ」(ベルナルド・ベルトリッチ1993)、「クンドゥン」マーティン・スコセッシ1997)、「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(ジャン・ジャック・アノー1997)、「ダライ・ラマ」(白丹1997)、「キャラバン」(エリック・バリ1999)、「チベット チベット」(キム・スンヨン2001)、「チベットの女 イシの生涯」(シェ・フェイ2002)、「モゥモチェンガ」「オロ」(岩佐寿弥2002.2012)「雪の下の炎」(楽真琴2008)、「ヒマラヤを超える子供たち」(Maria Blumencron2012)

・(3月26日)米のハードボイルド作家 レイモンド・チャンドラー(70)、死す(探偵:フィリップ・マーロウ)
*原作映画「湖中の女」(ロバート・モンゴメリー1947)、「三つ数えろ」(ハワード・ホークス1955)、「かわいい女」(ポール・ボガート1969)、「ロング・グッドバイ」(ロバート・アルトマン1974)、「さらば愛しき女よ」(ディック・リチャーズ1976)、「ブロンドの殺人者」(エドワード・ドミトリク1988)

・(3月28日)千鳥ヶ淵戦没者墓苑、開園 第二次世界大戦の戦没者の遺骨のうち、遺族に引き渡すことができなかった遺骨を安置 政教分離の原則により、特定の宗教宗派に属さない施設
・(3月30日)砂川事件、第一審東京地裁判決で全員無罪(伊達判決)、検察側は直ちに最高裁に跳躍上告 12月16日、最高裁大法廷(裁判長:田中耕太郎長官)統治行為論を採用し、原判決を破棄 その際、日本側は、米側の圧力に屈す
・(4月10日)皇太子明仁と正田美智子の結婚式 皇居から東宮まで馬車パレード

・(4月09日)モダニズム建築の四大巨匠の一人、米の建築家、フランク・ロイド・ライト(91)、死す

・(4月30日)小説家 永井荷風(79)、死す 号に金阜山人、断腸亭主人ほか
*原作映画「「春情鳩の街」より 渡り鳥いつ帰る」(久松静児1955)、「つゆのあとさき」(中村登1956)、「踊子」(清水宏1957)、「ぼく東綺譚」(豊田四郎1960)、「裸体」「四畳半物語 娼婦しの」(成澤昌茂1962.1966)、「四畳半襖の裏張り」(神代辰巳1973)、「墨東綺譚」(新藤兼人1992)、「夢の女」(坂東玉三郎1993)、「癒しの遊女 濡れ舌の蜜(墨東綺譚)」(荒木太郎2010)他
・(5月04日)第1回グラミー賞授賞式が行われる
・(6月12日)「黒いオルフェ」(マルセル・カミュ1959)公開 劇中歌に「カーニバルの朝」をはじめ多くのボサ・ノヴァ(ポルトガル語で新しい感覚の意)の曲が使われる
・1964年アルバム「ゲッツ/ジルベルト」特にこの中の「イパネマの娘」が米で大ヒット その他のボサノヴァの名曲:「リカード・ボサノヴァ」「マシュ・ケ・ナダ」「おいしい水」「私のサウダージ」「海のそよ風」「想いあふれて」「デサフィナード」他
*関連映画「THIS IS BOSSA NOVA」(パウロ・チアゴ2005)、「ヴィニシウス~愛とボサノヴァの日々」(ミゲル・ファリア・Jr 2005)

・(6月30日)米占領下の沖縄の石川市(現うるま市)で米軍機が墜落し小学校を直撃死者17人、重軽傷者210人の大惨事(宮森小学校米軍機墜落事故)
*題材映画「ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~」(及川善弘2013)

・(6月23日)仏の作家 ボリス・ヴィアン(39)、死す
*原作映画「うたかたの日々」(シャルル・ベルモン1968)、「クロエ」(利重剛2001)、「ムード・インディゴ うたかたの日々」(ミシェル・ゴンドリー2013)
・(7月17日)米のジャズ歌手 「レディ・デイ」ビリー・ホリデイ(44)、死す 貧困と虐待の中で育ち、人種差別、麻薬・アルコール依存症との闘い 壮絶な人生だった
*出演映画「ニューオーリンズ」(アーサー・ルービン1947)
*題材映画「ビリー・ホリデイ物語/奇妙な果実」(シドニー・J・フューリー1972)
・(7月17日)タンザニアのオルドヴァイで、アウストラロピテクスの頭蓋骨を発見
・(7月22日)熊本大学医学部水俣病研究班が、水俣病の原因物質が有機水銀であると公表 7月14日に朝日新聞がスクープ
・(7月31日)スペインのフランコ独裁政権による抑圧に反発する形で「バスク祖国と自由(ETA)」結成 スペインやフランスのバスク人居住地域を独立国家として分離することを目標としている

・(8月13日)在日朝鮮人帰還協定、赤十字が調印 北への帰還事業(在日朝鮮人とその家族による日本から北朝鮮への永住帰国あるいは移住)始まる(第1船の出発は、12月14日)大半は朝鮮半島南部出身者 日本人妻や子といった日本国籍保持者も多数いた 1984年までに93.340人が北朝鮮に渡った
・(9月14日)ソ連の月探査機「ルナ2号」が月に衝突 初めて月面に到達
・(9月26日)和歌山県潮岬に「伊勢湾台風」上陸 明治維新以来最大の被害 死者4.697人、行方不明401人、負傷者38.921人 経済的被害は、関東大震災に匹敵
・「少年マガジン」「少年サンデー」「週刊現代」「週刊文春」創刊・「報道・解説・評論」の「朝日ジャーナル」創刊「右手にジャーナル、左手にマガジン」「右手にジャーナル、左手にパンチ」と(1992年廃刊)

・(9月00日)カシミールを巡り中印国境紛争勃発 1962年11月には大規模な衝突に発展 結果、アクサイチン(インド側の呼称はラダック(の一部))は、中国が実効支配
 また、ブータンの東側東北辺境地区でも中国が勝利を収めるも後にマクマホンラインまで撤収 インドは実効支配を強めるためアルナーチャル・プラデーシュ州を設置 インドの保護国だったシッキム王国では、ナトゥラ峠を挟んだ地域で小競り合いが起き、峠の西側は中国に

・(10月27日)100年前のこの日、吉田松陰(29)、斬刑に処せられる

・(11月02日)水俣病問題 漁民1500人が新日本窒素水俣工場に乱入、警官隊と衝突
・(11月27日)安保改定阻止で国会請願デモ隊約2万人が国会構内に乱入
・(12月04日)新潟日赤センター爆破未遂事件「北への帰還事業」に対し、中国地方各地に韓国工作員が密入国し、妨害工作をした計画が発覚
・(12月13日)「世界飛び歩き」(後、「兼高かおる世界の旅」に改称)放映開始

・松竹ヌーヴェルヴァーグの旗手、大島渚「愛と希望の街」でデビュー(1959年)「日本ヌーヴェルヴァーグ」は、当初、羽仁進、勅使河原宏、増村保造、篠田正浩、大島渚、蔵原惟繕、今村昌平の7人 その後、鈴木清順、中平康、新藤兼人も加わった 1960年から~1976年の「愛のコリーダ」(大島渚)まで続く
•「青春残酷物語」「日本の夜と霧」「飼育」「忍者武芸帳」「絞死刑」「儀式」(大島渚)
•「裸の島」(新藤兼人)
•「狂熱の季節」「黒い太陽」「憎いあンちくしょう」(蔵原惟繕)
•「不良少年」「手をつなぐ子ら」「ブナワ・トシの歌」「初恋・地獄篇」「愛奴」(羽仁進)
•「豚と軍艦」「にっぽん昆虫記」「赤い殺意」「人間蒸発」「神々の深き欲望」(今村昌平)
•「おとし穴」「砂の女」「他人の顔」「燃えつきた地図」「サマー・ソルジャー」(勅使川原宏)
•「暗殺」「乾いた花」「美しさと哀しみと」「心中天網島」「無頼漢」(篠田正浩)
•「肉体の門」「刺青一代」「けんかえれじい」「東京流れ者」「殺しの楽印」(鈴木清純)
•「青年の海 四人の通信教育生たち」「日本解放戦線 三里塚の夏」(小川伸介)
•「水で書かれた物語」「エロス+虐殺」「戒厳令」(吉田喜重)
•「略称 連続射殺魔」「赤軍-PFLP・世界戦争宣言」(足立正生)
•「薔薇の葬列」(松本俊夫)
•「ゆけゆけ二度目の処女」(若松孝二)
•「トマトケチャップ皇帝」「書を捨てよ町へ出よう」「田園に死す」(寺山修司)
•「ゴッド・スピード・ユー!」(柳町光男)等

・「怒りを込めて振り返れ」(トニー・リチャードソン)が公開される イギリス・ニュー・ウェイブ(フリー・シネマ)始まる
•「蜜の味」「長距離ランナーの孤独」「マドモアゼル」(トニー・リチャードソン)
•「土曜の夜と日曜の朝」(カレル・ライス)
•「孤独の報酬」「Ifもしも・・・」(リンゼイ・アンダーソン)
•「年上の女」「回転」「女が愛情に渇くとき」(ジャック・クレイトン)
•「或る種の愛情」「ダーリング」(ジョン・シュレシンジャー)等

・第20回ヴェネツィア映画祭金獅子賞「ロベレ将軍」(ロベルト・ロッセリーニ)、「戦争 はだかの兵隊」(マリオ・モニチェリ)
・第12回カンヌ映画祭パルム・ドール「黒いオルフェ」(マルセル・カミュ)
・第10回ベルリン映画祭金熊賞「ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯」(チェザーレ・アルダヴィン)
・第33回キネマ旬報ベストワン「キクとイサム」(今井正)、「十二人の怒れる男」(シドニー・ルメット)
・第32回アカデミー作品賞「ベン・ハー」(ウィリアム・ワイラー)、外国語映画賞「黒いオルフェ」(マルセル・カミュ)
・第1回グラミー賞最優秀アルバム賞「The Music from Peter Gunn(ピーターガン)」(ヘンリー・マンシーニ)
・サルヴァトーレ・クアジモド(伊の作家)がノーベル文学賞受賞
・フィリップ・ノエル・ベーカー(英国の政治家)がノーベル平和賞受賞