1966

1966年(昭和41年)

・(1月11日)スイス出身の彫刻家 アルベルト・ジャコメッティ(64)、死す
*題材映画「ジャコメッティ 最後の肖像」(スタンリー・トゥッチ2017)

・(1月15日)福島県いわき市に、常磐ハワイアンセンターオープン 1990年、オープン25周年を機に「スパリゾートハワイアンズ」に改称
*題材映画「フラガール」(李相日2006)、「がんぱっぺ フラガール!~フクシマに生きる。彼女たちのいま~」(小林正樹2011)
・(1月17日)米軍、水素爆弾を搭載したB52爆撃機が空中給油機と衝突 スペイン、アンダルシア州パロマレス集落に水素爆弾4個が落下(パロマレス米軍機墜落事故)
*関連映画「ザ・ダイバー」(ジョージ・テイルマン・ジュニア2000)
・(2月04日)全日空機、東京湾に墜落 旅客機事故相次ぐ カナダ機 羽田で着陸失敗(3月04日)、その18時間後 英国機 富士山上空空中分解(3月05日)、全日空機 松山沖で墜落(11月13日)

・(2月18日)米の映画監督 ロバート・ロッセン(57)、死す「赤狩り」に翻弄された
*監督作品「ジョニー・オクロック」「ボディ・アンド・ソウル」(1947)、「オール・ザ・キングスメン」「The Brave Bulls」(1951)、「マンボ」(1954)、「アレキサンダー大王」 (1956)、「日のあたる島」(1957)、「コルドラへの道」(1959)、「ハスラー」(1961)、「リリス」(1964)

・(2月26日)韓国軍によるベトナム民間人大量暴行・虐殺事件「中部ビンアン村ゴダイ住民虐殺事件」、同じ時期に「タイビン村住民虐殺事件」発生(その後も同種の事件は多発)
 ベトナム戦争中の南ベトナム解放民族戦線による連日の放送や戦後の韓国のハンギョレ新聞社が発行する週刊誌「ハンギョレ21」、米紙「ニューズウィーク」等により明らかとなった韓国軍によるベトナム人暴行、虐殺事件、また数千から数万人ともいわれる「ライダイハン(韓国軍の子)」問題は、韓国社会では長い間タブーであった
*題材映画「」()

・(5月27日)仏の映画監督 クロード・ルルーシュ、「男と女」 発表
*監督作品「行きずりの二人」 「女を引き裂く」(1964)、「男と女」(1966)、「パリのめぐり逢い 」「ベトナムから遠く離れて」(1967)、「白い恋人たち」「愛と死と」(1968)、「時よとまれ、君は美しい/ミュンヘンの17日」(1973)、「愛と哀しみのボレロ」(1981)、「遠い日の家族 」(1985)、「男と女II」(1986)、「ライオンと呼ばれた男」(1988)、「レ・ミゼラブル」(1995)、「しあわせ」(1998)、「11'09''01/セプテンバー11」 (2002) 、「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲」(2015)他

・(5月00日)中国 毛沢東を崇拝し「毛語録」をかざし「造反有理」を旗印に紅衛兵らによる運動・プロレタリア文化大革命の嵐起きる 経済は沈滞、社会は混乱
*題材映画「夜明けの国」(岩波映画ドキュメンタリー1967)、「中国」(ミケランジェロ・アントニオーニ1972)、「黄色い大地」(チェン・カイコー1984)、「芙蓉鎮」(シェ・チン1987)、「太陽の少年」(チアン・ウェン1997)、「中国の小さなお針子」(ダイ・シージエ2002)、「延安の娘」(池谷薫2002)、「小さな村の小さなダンサー」(ブルース・ベレスフォード2009)、「無言歌」(ワン・ビン2010)、「活きる」「初恋のきた道」「サンザシの樹の下で」「妻への家路」(チャン・イーモウ1994.1999.2010.2014)
・西蔵自治区発足(チベット亡命政府の樹立は、1959年)中国政府はチベット独立軍を殲滅し、「チベット政府の廃止」を宣言 文化大革命が波及し、紅衛兵が進駐する
・1950年10月に設立された日本中国友好協会が、文化大革命の評価をめぐる対立により2つに分裂 公益社団法人日本中国友好協会(当時文革を礼賛した側 現在の主流派 2012年4月に公益社団法人に)ともう一つの日本中国友好協会(中国絶対化に距離を置いた側 非主流派 1999年まで中国より「ニセ日中」と名指しされ関係断絶が続いた)

・(5月00日)屋久島の標高1300m地点で、樹高30m、根回り43mの縄文杉が屋久町役場観光課長だった岩川貞次により発見される
・(6月17日)プロボクサー ルービン・“ハリケーン”・カーター、殺人罪で逮捕される 黒人への偏見、差別の中、冤罪で20年間を刑務所で過ごす
*題材映画「ザ・ハリケーン」(ノーマン・ジュイソン1999)
・(6月29日)ビートルズ来日公演3日間日本武道館で、前座:ザ・ドリフターズ他

・(7月4日)地元に何の相談もなく政府(佐藤栄作内閣)が新東京国際空港を成田市三里塚に建設することを閣議決定(政府は事前説明さえ怠り、閣議決定を盾に一切の交渉行為を行わなかった)土地と生活を守ろうとする地元農民達は「三里塚柴山連合空港反対同盟」を結成し(7月20日)反対運動を展開 
 同地区には元満蒙開拓団員の引き揚げ者が主体の入植者が多く、農民としての再起をかけた開拓がようやく軌道に乗りかけた時期にあたる 反対運動から社会党、共産党は早々と離脱し、運動は新左翼各派が介入し次第に過激さを増していく

・(7月11日)1966FIFA W杯(第8回)イングランド大会 優勝:イングランド 準優勝:西ドイツ 日本:予選不参加
*題材映画「奇蹟のイレブン [1966年W杯 北朝鮮VSイタリア戦の真実]」(ドキュメンタリー ダニエル・ゴードン2002 )

・(7月12日)内モンゴル自治区で「内モンゴル人民革命党粛清事件」 モンゴル人数十万人を粛清すると共に、漢民族1千万人を内モンゴルに移住させる

・(7月17日)円谷プロダクション制作「ウルトラQ」の続編、「ウルトラマン」TV放送開始 科学特捜隊とM78星雲光の国の宇宙警備隊員ウルトラマンの活躍に、平均視聴率36.8%

・(7月30日)小説家 谷崎潤一郎(79)、死す
*原作映画「猫と庄造と二人の女」「台所太平記」(豊田四郎1956.1963)、「痴人の愛」「瘋癲老人日記」(木村恵吾1960.1962)、「細雪」(島耕二1959)、「鍵」「細雪」(市川崑1959.1983)、「白日夢」(武智鉄二1964)、「卍」「刺青」(増村保造1964.1966)、「悪党」「讃歌」(新藤兼人1965.1972)、「鍵」(神代辰巳1974)、「春琴抄」(西河克己1976)、「ナオミ」(高林陽一1980)他

・(7月31日)米のジャズ・ピアニスト「モダン・ジャズピアノの祖」バド・パウエル(41)、死す 麻薬やアルコールなどの中毒に苦しみ、精神疾患を負う 代表的アルバムに「ジャズ・ジャイアント」(1950)、「アメイジング・バド・パウエル」(1951)、「ザ・シーン・チェンジズ」(1959)他
*題材映画「ラウンド・ミッドナイト」(ベルトラン・タヴェルニエ1986)

・(9月06日)米の産児制限活動家(子供をいかにして、何時産むかを女性自身が決定するという権利の提唱者)マーガレット・サンガー(86)、死す
・(10月09日)日本テレビ系列で「日立ドキュメンタリー すばらしい世界旅行」放送開始
・(10月21日)総評加盟54単産労組、米軍の北爆に抗議して「ベトナム反戦統一スト」実施「世界の労働組合で初めてのベトナム反戦スト」(ジャン・ポール・サルトル) 同時に全世界の反戦運動団体にもベトナム戦争反対を呼びかける 以降この日が「国際反戦デー」に 1967年10月21日には 米ワシントンD.C.で10万人を超えるベトナム戦争反対デモ「ペンタゴン大行進」 1968年10月21日には「新宿騒乱」

・五木寛之 「さらばモスクワ愚連隊」(小説現代新人賞)でデビュー 1967年、作品集「さらばモスクワ愚連隊」「蒼ざめた馬を見よ」「海を見ていたジョニー」「青年は荒野をめざす」発表
*原作映画「さらばモスクワ愚連隊」(堀川弘通1968)、「ヘアピン・サーカス」(西村潔1972)、「にっぽん三銃士 おさらば東京の巻」「にっぽん三銃士 博多帯しめ一本どっこの巻」(岡本喜八1972.1973)、「青春の門」「青春の門 自立編」(浦山桐郎1975.1977)、「凍河」(斎藤耕一1976)、「変奏曲」(中平康1976)、「ダブル・クラッチ」(山根成之1978)、「戒厳令の夜」(山下耕作1980)、「燃える秋」(小林正樹1980)、「四季・奈津子」(東陽一1980)「青春の門」「青春の門 自立編」(蔵原惟繕1981.1982)、「青年は荒野をめざす’99」(加藤義人1999)、「大河の一滴」(神山征二郎2001)

・(10月00日)英で「ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス」結成
・(12月09日)英のロックバンド クリーム デビューアルバム「フレッシュ・クリーム」発表

・1958年頃からいくつかのサーフィン映画を発表していた米の映画監督、ブルース・ブラウン「エンドレス・サマー」発表 1994年「エンドレス・サマー2」発表 2003年息子デイナ・ブラウン「ステップ・イントゥ・リキッド」発表 

・第27回ヴェネツィア映画祭金獅子賞「アルジェの戦い」(ジッロ・ポンテコルヴォ)
・第19回カンヌ映画祭グランプリ「男と女」(クロード・ルルーシュ)、「蜜がいっぱい」(ピエトロ・ジェルミ)
・第17回ベルリン映画祭金熊賞「出発」(イエジー・スコリモフスキー)
・第40回キネマ旬報ベストワン「白い巨塔」(山本薩夫)、「大地のうた」(サタジット・レイ)
・第39回アカデミー作品賞「わが命つきるとも」(フレッド・ジンネマン)、外国語映画賞「男と女」(クロード・ルルーシュ)
・第8回グラミー賞最優秀アルバム賞「September of My Years」(フランク・シナトラ)
・シュムエル・アグノン(オーストリア出身イスラエルの作家)とネリー・ザックス(独の詩人)がノーベル文学賞受賞 ノーベル平和賞は、受賞者なし