1963

1963年(昭和38年)

・(1月01日)「鉄腕アトム(手塚治虫)」放映開始、「鉄人28号(横山光輝)」(10月20日)、「エイトマン(桑田次郎)」(11月7日)テレビ放映開始
・(1月00日)「昭和38年1月豪雪」(三八豪雪)死者228人、行方不明3人

・(1月16日)石原裕次郎が、石原プロモーション設立 テレビドラマ「太陽にほえろ!」(東宝・日本テレビ製作)出演は1972年~
*製作映画「太平洋ひとりぼっち」(市川崑1963)、「黒部の太陽」(熊井啓1968 三船プロとの共作)、「栄光への5000キロ」(蔵原推繕1969)、「ある兵士の賭け」(キース・エリック・バード(キース・ラーセン)共同監督:千野皓司、白井伸明1970)、「富士山頂」(村野鐡太郎1970)他

・(2月14日)アルジェリア領有継続を主張する右翼組織OASのド・ゴール大統領暗殺計画発覚
*題材映画「ジャッカルの日」(フレッド・ジンネマン1973)、「ジャッカル」(マイケル・ケイトン=ジョーンズ 1997)

・(6月00日)ロンドンで結成されたローリング・ストーンズ「カム・オン」でデビュー

・(6月05日)関西電力黒部川第四発電所(黒四ダム)が完成 作業員延べ人数1000万人、171人殉職 ダムの高さ(堤高)186mで日本一
*題材映画「黒部の太陽」(熊井啓1968)制作:三船プロ・石原プロ、劇団民藝全面協力
・(6月11日)ベトナムの僧侶、ティック・クアン・ドック(66)、南ベトナムのゴ・ディン・ジエム政権の仏教徒に対する高圧的な政策に抗議し、サイゴンの米大使館前で自らガソリンをかぶり焼身自殺
・(6月16日)ソ連、宇宙衛星ボストーク8号に乗り世界初の女性宇宙飛行士となったワレンティナ・テレシコワ 宇宙から「ヤー・チャイカ(私はカモメ)」とコールサイン
*記録映画「私はかもめ」(ドミトリー・ボゴレポフ1963)

・(6月11日)映画監督 川島雄三(45)、死す
*監督映画「真実一路」(1954)、「洲崎パラダイス赤信号」「わが町」(1956)、「幕末太陽傳」(1957)、「暖簾」(1958)、「グラマ島の誘惑」「貸間あり」(1959)、「人も歩けば」「接吻泥棒」(1960)、「女は二度生まれる」(1961)、「雁の寺」「しとやかな獣」「青べか物語」(1962)他

・幕末、多くの密航留学生がいた その多くが帰国後、明治維新で活躍
・(6月27日)100年前(1863年)のこの日(文久3年5月12日)、井上聞多(井上馨)、伊藤俊輔(伊藤博文)ら「長州五傑」といわれる5人が英国を目指して横浜を出港
*題材映画「長州ファイブ」(五十嵐匠2006)
・1864年7月17日(元和元年6月14日)、新島襄、米国を目指して箱館(函館)を出港 米国滞在中に岩倉使節団と出会い、合流
・1865年4月17日(元和2年/慶応元年3月22日)、森有礼、畠山義成、長沢鼎ら15人(薩摩藩第一次英国留学生)と引率係の4人(寺島宗則、五代友厚ら)の計19人が、英国を目指して薩摩郡串木野郷羽島村(現在の鹿児島県いちき串木野市羽島)を出港
・1866年6月(慶応2年4月28日)、仁礼景範、吉原重俊ら6人(薩摩藩第二次米国留学生)が、米国を目指して長崎を出港

・(6月28日)サリドマイド事件被害者が、国と大日本製薬を相手に最初の損害賠償請求提訴 1959年当時から製薬会社や厚生省は被害情報を把握しながら有効な措置を取らなかった 1974年全国訴訟原告団と国、大日本製薬の間で和解成立
・(8月05日)第9回原水禁世界大会、社会党・総評系がボイコット、分裂
・(8月14日)米英ソ、部分的核実験禁止条約(PTBT)に署名

・(7月04日)「大脱走」(ジョン・スタージェス)公開
・(8月08日)ロナルド・ビッグスとその仲間、郵便列車から263万英ポンドを強奪(英大列車強盗事件)逮捕され30年の懲役刑で収監されるも脱獄、世界を股にかけ37年間の逃亡生活 2001年5月に帰国し逮捕されるも釈放
*題材映画「大列車強盗団」(ピーター・イエーツ1967)
・(8月13日)100年前(1863年)のこの日、仏の画家 ウジェーヌ・ドラクロワ (65)、死す

・(8月28日)「奴隷解放100年」を期して数十万を集めたワシントン大行進(we shall overcomeを口ずさみ)でキング牧師「私には夢がある I Have a Dream」と公民権運動の歴史に残る演説
・(9月00日)米南部アラバマ州で、クー・クラックス・クラン(KKK)が教会を爆破し黒人の少女4人が犠牲になる
*題材映画「フォー・リトル・ガールズ」(スパイク・リー1977)

・(10月11日)仏のシャンソン歌手 エディット・ピアフ(47)、死す 何が大事かと問われ「修練と勇気 あとはゴミ」と
*題材映画「愛の讃歌 エディット・ピアフの生涯」(ギイ・カザリル1974)、「恋に生きた女ピアフ」(クロード・ルルーシュ1983)、「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」(オリヴィエ・ダアン2007)

・(10月11日)仏の芸術家 ジャン・コクトー(74)、死す
*原作映画「恐るべき子供たち」(ジャン=ピエール・メルヴィル1950)
*監督作品「詩人の血」(1930)、「美女と野獣」(1946)、「恐るべき親達」(1949)、「オルフェ」(1950)、「サント・ソスピール荘」(1952)、「双頭の鷲」(1953)

・(11月08日)ギリシャで第二次ゲオルギオス・パパンドレウ内閣発足 その後、ゲオルギオス・パパドプロスらによる軍事クーデター、コンスタンティノス2世(ギリシャ王国の最後の国王)による反クーデターの失敗等を経て米(NATO)の擁護・支援のもと軍事独裁政権は1974年まで続く
 軍事独裁政権下、パパドプロス暗殺未遂(1968年8月13日)を起こしたアレクサンドロス・パナグリス(詩人・政治家)、逮捕・収監・拷問・脱走・亡命を繰り返し1974年の民政復帰で帰国 独裁政権と協力してきた政治家への追及を行うが、アテネで不可解な自動車事故で死す(1976年5月1日)軍事政権が抱えていた真相の多くが闇へと葬られる結果に 
*関連映画「日曜はダメよ 」「死んでもいい 」「トプカピ」(ジュールズ・ダッシン1960.1962.1964)、「春のめざめ」(ニコス・コンデュロス1963)、「その男ゾルバ」「魚が出てきた日」(マイケル・カコヤニス 1964.1967)、「誘惑」(ジョルジ・スカレナキス 1967)、「放送」「再現」「1936年の日々」「旅芸人の記録」(テオ・アンゲロプロス1968.1970.1972.1975)、「Z」「告白」「戒厳令」(コンスタンディノス・ガヴラス1969.1970.1972 )

・(11月09日)国鉄、東海道線鶴見で脱線衝突事故 死者160人、重軽傷120人
・(11月09日)三井三池三川炭鉱炭塵爆発事件 ガス爆発により死者458人 一酸化炭素中毒患者839人 福岡地検は嫌疑不十分で会社側の刑事責任を不問に 1972年から翌年にかけて 一酸化炭素CO中毒患者の4家族が提訴、三池労組主導のマンモス訴訟1973年(410人)がこれに続く マンモス訴訟は1987年に和解

・(11月19日)生粋のバイラオーラ(bailaora フラメンコダンサー)カルメン・アマヤ(50)、死す(1936年スペイン内戦を機に米に移住 1947年スペインへ戻る)
*関連・出演映画「ロス・タラントス(バルセロナ物語)」(ロビラ・ベレタ1963)、「サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ」(チュス・グティエレス2014)

・(11月22日)ケネディ大統領(46)、謀略により暗殺される 事件の全容は明らかではない この日、初の日米衛星中継、その最初の映像がこの暗殺事件だった
*題材映画「ダラスの熱い日」(ディヴィッド・ミラー1973)、「パララックス・ビュー」(アラン・J・パクラ1974)、「JFK」(オリバー・ストーン1991)、「パークランド ケネディ暗殺 真実の4日間」(ピーター・ランデズマン2013)、「ジャッキー」(パブロ・ラライン 2016)

・(12月08日)力道山(39)、赤坂のナイトクラブ「ラテン・クオーター」で暴力団に刺される 死亡(12月15日)
*題材映画「ザ・力道山」(高橋伴明1983)、「力道山」(ソン・へウン2004)

・(12月12日)映画監督 小津安二郎(60)、死す
*監督作品「戸田家の兄妹」(1941)、「父ありき」(1942)、「晩春」(1949)、「宗方姉妹」(1950)、「麦秋」(1951)、「東京物語」(1953)、「早春」(1956)、「東京暮色」(1957)、「彼岸花」(1958)、「お早よう」「浮き草」(1959)、「秋日和」(1960)、「小早川家の秋」(1961)、「秋刀魚の味」(1962)他

・(12月20日)フランクフルト・アウシュビッツ裁判(正式名称:ムルカ等に対する裁判)始まる ニュルンベルク裁判において裁かれなかったナチスの過ちに対し、ホロコーストに関わった収容所の幹部ロベルト・ムルカらをドイツ人自身によって裁いた裁判
*題材映画「顔のないヒトラーたち 」( ジュリオ・リッチャレッリ2014)

・「黒いペトル」(ミロシュ・フォルマン)、「違うなにか」(ヴェラ・ヒティロヴァ)公開 チェコ・ヌーヴェルヴァーグの始まり 1968年の「プラハの春」で突然終焉 多くの監督たちが国外へ
     
•「黒いペトル」「ブロンドの恋」「火事だよ!カワイ子ちゃん」(ミロシュ・フォルマン)
•「天井」「一袋分の蚤」「違うなにか」「ひなぎく」(ヴェラ・ヒティロヴァ)
•「一口分の食糧」「夜のダイアモンド」「母と子」(ヤン・ニェメツ)
•「厳重に監視された列車」「つながれたヒバリ」(イジー・メンツェル)
•「冗談」「闇のバイブル 聖少女の詩」(ヤロミル・イレシュ)等

・映画「太陽の国のカンツォーネ」(アルトゥーロ・ジェミティ1963)公開される 代表的なカンツォーネ(伊語で「歌」を意味する) ナポレターナ(ナポリの大衆歌曲):「フニクリ・フニクラ」「オー・ソレ・ミオ」「サンタ・ルチア」「帰れソレントへ」「わすれな草」「あまい囁き」「夢みる想い」等

・シドニー・ポワチエが「野のユリ」(ラルフ・ネルソン1963)で黒人初のアカデミー主演男優賞およびゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)受賞

・第24回ヴェネツィア映画祭金獅子賞「都会を動かす手」(フランチェスコ・ロージ)
・第16回カンヌ映画祭パルム・ドール「山猫」(ルキノ・ヴィスコンティ)
・第14回ベルリン映画祭金熊賞「野性のもだえ」(イスマイル・メチン)
・第37回キネマ旬報ベストワン「にっぽん昆虫記」(今村昌平)、「アラビアのロレンス」(デヴィッド・リーン)
・第36回アカデミー作品賞「トム・ジョーンズの華麗な冒険」(トニー・リチャードソン)、外国語映画賞「8 1/2」(フェデリコ・フェリーニ)
・第5回グラミー賞最優秀アルバム賞「The First Family」(ヴォーン・ミーダー)
・イオルゴス・セフェリス(ギリシャの詩人)がノーベル文学賞受賞
・赤十字国際委員会と国際赤十字赤新月社連盟がノーベル平和賞受賞